母屋に私たち夫婦で
夫両親は離れで生活している。
この離れにはお風呂がない。
故に、お風呂と洗濯は母屋で行われる。
正月気分が抜けてきた寒い日の午後6時頃
お風呂を上がった義父が離れに戻ろうとしていた。
玄関の引き戸を開ける音の後に
何やら義父の声
ああ、ミケが玄関近くにいて話しかけているんだなー。
少しの間の後、玄関を閉める音
義父はいつものように何も言わず離れに戻っていった。
しばらくしてから義母がお風呂に入るために来た。
いつものように玄関開けて上がって歩いて……
いつもと違って台所で立ち止まる。
私の名を呼ぶので返事したら
「猫がいる」と言われた。
はい? 猫?
もしかしてミケ?
どこか閉め忘れて侵入した?
いやいや、寒いこの時期に閉め忘れなんてしないけど……。
と思いつつ台所に急ぐと
猫が歩いていただの
そっちに行っただの言われた。
確認すればミケがいる。
勝手口を開けばそこから外に出るかな?
と思い、勝手口に近づいたら
ミケは玄関に向かってタッタカ逃げ
それなら玄関を開けて……と思い玄関に向かえば
ダダダダダーーーーーっと台所に逃げるミケ。
玄関を開けてフードの音で誘ってみても来ない。
台所に行ったら勝手口の土間で蹲って隠れていた。
勝手口を開けたらひょいっと外に出る。
人騒がせなヤツだなー。

義母の話によると
義父が玄関を開けたらするっと中に入ってしまったとのこと。
離れに戻った義父から報告されたそうで……。
義父よ、母屋の中にいる人間(私)に
一言伝えてから離れに戻ってくれませんかね?
私の中で、義父の評価がまた一段下がる出来事だった。
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