
吉田さんは近所の家の、ほぼ外飼い猫です。
彼の家には昨年秋の時点で17頭いました。
うち4頭しか避妊していません。
お金がないわけでも、社会から孤立しているわけでもありません。
お母様はちょっとした文化人でもあります。
ポリシーを持って医療を一切かけない家庭です。
吉田さんのお母様は言います。
「鷹子さんの活動は素晴らしいことだと思います。
でもね、私は昔ながらの自然のままがいいの」
子どもたちに動物と触れ合わせたい。
猫の出産も命の教育。
と。
猫は野生動物ではありません。
人間が管理しなければいけない愛護動物です。
どこまでいっても分かり合えない。
この平行線をぶった斬りたくて、集団不妊手術を心に決めました。
町ぐるみかかれば吉田さんを去勢できるんじゃないか、そう考えたんです。
多頭崩壊はすぐそこまできています。
そこでこの度、動物愛護推進員と行政と私で、
吉田母対策会議を設けました。
プロジェクトYです。
昔ながらの飼い方に一切の疑問を持たない、むしろ誇りを持っている、
かなりめんどくさい飼い主にはどういったアプローチが有効か。
県から紹介された動物愛護推進員さんが、これまた優秀な方でして。
頭がキレる。仕事が出来る。パワフルでエネルギッシュ。
福島の被災地で置き去りされた犬猫のレスキューにあたった動物看護師でもあります。
本来こういったこじらせ系の多頭崩壊予備軍には、
時間をかけて信頼を得て、説得していくのが有効だそうです。
何度も何度も足を運んで、飼い主に「めんどくさい、うるさい、もういいよ手術して!」
と諦めさせるように持っていくんだそうです。
しかし、私には時間がありません。
最短コースで5月の一斉TNRに乗せていきたい!
そのためにはどうすれば?
結論、戦わない。
になりました。
吉田母を敵ではなく協力者として取り込んでいきます。
アプローチはペット防災について。
町の担当者から吉田母へ、猫の飼育に詳しいオブザーバーとして協力を依頼することにしました。
ペット防災の啓発活動に加わっていただこうと。
実際、災害時の避難所ではペット同行避難を取り仕切るボランティアが必要なので、
そういった時にリーダーシップを取ってくれないか、と提案する予定です。
ペット防災も突き詰めれば、適正飼養に繋がるんです。
頭数が多すぎると避難できませんし、
同行避難するためには、まわりの人(犬猫)に迷惑がかからないよう、
不妊手術はもちろんワクチンや駆虫をしていないといけません。
話しを進めていく中で、ご自身で気づいて欲しいのです。
そして今度は牽引する側に回ってくれたら、
これ以上にない強力な助っ人になります。
でも失敗すると、強行手段を取らざるえなくなります。
吉田さんのお母様を傷つけたいわけじゃないんです。
なんとかがんばれ、僧侶(町の担当者)!!
ドラネコクエストは、魔法戦士(愛護推進委員)を仲間に迎えました。
冒険はまだ始まったばかり。
ああ、次はいい報告したいですっ★
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