いよいよ東北も梅雨明けか!
正午には35度でした…あちぃ~
んで、またまた友のみ。
友達の飼い主さんに薬剤師さんはいらっしゃるかな?
ネコジの日記、同じ方がTwitterでもあげてましたが、猫FIVの薬物治療の話。
こちらについては、賛成でも反対でもありませんが、人用のお薬に関わったことがありますので少々書いてみます。
https://www.konekono-heya.com/news/2019/february/15.html
こちらのサイトは良く見るのですが、獣医師?しかもコアな基礎研究をされてる方が記事を書かれてるのか、監修されてるのか?
最新の話題も多いような印象があります。
そこから記事を抜粋。
猫エイズFIVと猫白血病FelV、そしてFIPが頭を悩ませる病気というか、感染症。
FIVとFelVはウィルス自体も良くにてるようです。
また、猫から人には感染しませんが、猫FIVウィルスは人HIVウィルスに近似したレトロウィルス。
親戚同士のウィルスとでも言いましょうか。
このレトロウィルス…
人のインフルエンザウィルスすら完全に押さえることが出来ないのと同じく、人のHIVワクチンは未だ開発されてません。
レトロウィルスってのは構造が簡単かつ複製される(繁殖)時に、体の作りがコロコロ変わるんです。
FIVも国内で2010年で5種類、今ではさらに増えているでしょう。
ワクチンに対しては効くタイプと効かないタイプがあり、ワクチンが普及すると効かないタイプが増える。
この繰り返しになります。
よって効果が安定して得られないことから、推奨されないようです。
2000年初頭の古い調査では週に一回でも外に出る猫に限定すると23.2%、4匹に1匹が陽性(キャリア)というデータがありました。
別のデータでは京都、神奈川では20%越え。
まず感染予防のゴールデンスタンダードは全世界共通で、飼い猫は外に出さない。です。
では次に治療法はないのか?
動物薬は人のお薬が特許切れしたものがほとんどで、人用は厚生労働省に対し動物用は農林水産省が認可します。
アメリカは人用だろうが動物用だろうが、確かFDAが統括してたはず。
(間違ってたらゴメンナサイ)
恐らく日本の獣医学部のある大学では、人の抗HIV治療薬の効果を実験、治験しているだろうと思います。
ただ、なかなか世に出ないのは、このHIVウィルスに似たFIVの病態をどれだけ専門にされているか否か?
人のHIV治療に携わる医師から、今さら勉強をはじめても私達には追い付けないと言われてまさしたが、薬の効果や治療法だけならまだしも、病態やウィルスの生物学的な知識など複雑過ぎるのです。
お薬もオーファンドラッグ、スペシャリティードラッグという範疇で、薬剤師にも患者指導、薬物管理を行うHIV専門薬剤師という方がいらっしゃいます。
この専門的な知識と研究を行っている獣医大学、教室がはたしてあるのか?
薬物の作用機序や組み合わせの意義など理解することすら難解です。
人HIVは薬物治療により、ウィルスのコントロールは最大限の効果の域に10年前には達しています。
あとは飲みやすさ、副作用の少ない薬剤がその後開発されてます。
ざーーと調べましたが、人の抗HIVウィルス薬による猫FIV治療についての日本語の記事は少なく、論文が和訳されてないのではなく効果を得られた実験、治験がないのだと思われます。
一つは治験されてる抗HIV治療薬が二世代、三世代前の副作用の強い薬物であること。
過去にHIV治療薬が継続されないのは、その副作用の強さでした。
重い皮疹や皮膚の陥没、代謝の異常、結石や腎機能、肝機能異常や発ガン性など。
また、一度投薬したら必ず継続することが重要なんです。
途中で投薬を中止した場合、高い確率で耐性ウィルスが出現し、そのお薬や類似するお薬が効かなくなります。
薬が効かなくなる…AIDS発症、死を意味します。
そして、人HIV治療の原則中の原則であるのは…絶対に単剤(成分が一つ)での治療は行わない。
最新のお薬は配合剤(2~3の成分)ですか、やはり一つの成分だけでの治療はご法度。
すぐに耐性ウィルスが発現し、治療前よりウィルス活性があがったりします。
まあ、効果を期待してのお気持ちはわかりますが、安易な治療は眠っていた獅子を呼び覚ますこともあることを理解した上で。
猫白血病が感染する前に、ある抗HIV治療薬を投与された猫は感染が防げました。
感染後に抗HIV治療薬を投与しても効果がなかったとの報告もあります。
世界的にはイギリスで2社、アメリカに2社くらいしか抗HIV治療薬は開発してないのですが、猫のFIV治療は人のHIV治療に恩恵をもたらす…
https://www.medicalnewstoday.com/articles/321282.php
逆に言うと、最近の人用の抗HIV治療薬は副作用も劇的に少ないことから、猫FIV治療薬として期待できるかもしれません。
ただし、その効果的な使用法、約束事を理解した獣医師でないと、最新のお薬さえ効かないウィルスを生み出すこともあるのです。
FIPに、WHOが感染拡大に警笛をならしているエボラ出血熱の治療薬が奏効。
生存率はお薬がない場合は9%、投薬された猫は77%というデータがありました。
確か日本政府も、このウィルスを実験用に輸入、保管するようです。
恐らくこのお薬も備蓄するでしょう。
猫への転用は…普通でしたら10~15年後でしょう。
GSというのは、ギリアード・サイエンシス社の開発Noだと思います。
タミフルを開発した会社で、昨今では難治性疾患であったC型肝炎の根本的治療薬を世界で初めて開発、またHIV治療薬の専門メーカーでもあります。
抗ウィルス薬は常に新しく新しくなり、古いお薬は生産中止にすらなる世界です。
中には動物薬として、素晴らしい効果のあるものがあるやもしれません。
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