ついに口蓋裂を塞ぐ手術を行ったビスコは、縫った部分の経過を見るために1週間ほど入院となりました。
途中で何度か様子を見に行ったのですが、本人はすこぶる上機嫌で、看護士の方にもよく懐き、一体きみの飼い主は誰なのかい?と思うくらい、誰にでもご機嫌でした。
術後の経過としては、最初のうちは出血が止まりにくく(元々口の中というのは血が止まりにくいのだそうです。人でも。)、そのうち徐々に塞いだ部分がくっついていったのですが…
1週間前後で、縫った部分の一部がくっつくことができずに腐って脱落、さらに数日してからまた一部が脱落、と、結果としてはほとんど塞ぐことができませんでした。
先生は、東京の口腔外科に詳しい獣医師の仲間と充分に相談しながら手術をしてくれたので、決して腕が悪かったからではありません。
先生は先生が出来る最大限のことをしてくれたと思います。
ビスコも死んだわけではないですし。
ということで、またシリンジ強制食餌生活に戻ったビスコは、約1ヶ月半、わたしと猫たちとの普段の生活を楽しみました。
ですが、その頃には、なぜかシリンジを見るととても嫌がるようになっていたので、タオルでビスコをくるんで、本当に強制的に栄養を取らせていました。
以前はおなかがすくと自分から飲ませて!飲みたい!とせがんできたのですが、手術が影響したのか、空腹でも水しか飲もうとしなくなっていました。
強制的に飲ませることは、なんだかとてもかわいそうで、わたしも最初は嫌だったのですが、与えなければ衰弱して死ぬのは目に見えているので、強制的に与えるのも愛と思い、毎日無理矢理飲ませていました。
そして、ある日、先生から「相談がある」と連絡が来ました。
それは、「日本で最も実力のある口腔外科の専門獣医師の先生が、ぜひ治療したいからビスコちゃんを寄越してもらえないか」という話でした。
唐突な話だったのでとても驚きました。
聞くと、その先生は、日本の獣医学のほか、海外でも勉強し、いまは日本各地の動物園の様々な動物たちの歯や口腔の治療を行っているという方で、実力もあり、とても著名な方ということでした。
ビスコの極度の口蓋裂は、滅多に無いものであるということと、それくらいの障害があれば大抵はすぐ死んでいるであろうに、1歳近くまで生きていて元気にしている、というのが興味を引いたようです。
その先生曰く、生後2~3ヶ月の口蓋が柔らかい時期のうちに手術をするべきだった、そうなんですが、わたしの先生はビスコがある程度大きくなり、骨格が大きく変化しなくなってからのほうが手術しやすいと判断したため、今日に至っていたのでした。

母猫の初乳を飲めたか分からないうちに、保護することに…
白黒のブチがビスコ。あとは兄弟。
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