すでに出産シーズン突入していたため、現場に20匹近くの子猫がおり、
我が家は子猫11匹+母猫を保護。
コクシが出たり、風邪をひいたり、てんやわんやの珍道中でしたが、
素敵里親さんに恵まれ、夏までに譲渡を終えました。
ただひとり、イチローだけを除いて。

トライアル前日に発作があり、てんかん疑いによる経過観察で可愛い盛りを棒に振ってしまったイチロー。
私はイチローが大好きなので、このままうちの子でも…と何度も思いましたが、
甘えんぼで穏やかで性格がよくて、風邪ひとつひかない丈夫な体。
優秀なイチローがうちに居残る理由なんてありません。
思う存分甘えられて、遊んでもらえて、自分だけのお膝がある環境を彼に贈ることが、
私にできる最大の愛情表現だと信じています。
がしかし応募のほうはさっぱりで、
シュウとタイチのお見合いに乗じて、イチローを売り込むのですが、
ついでとかオマケで迎えてもらうのは嫌で迷走する日々。
この春だけで8組の方とお見合いしました。
シュウがとにかくイチローに懐いていたので、悩みに悩みました。

そんな迷える鷹子を見兼ねて、昨年譲渡したミケ未来の里親さんであるラデュレさんから、
イチローとシュウを我が家に!と仏様のようなお申し出をいただいたんです。
ミケ子、未来、イチローは兄妹ではないけれど、みんにゃ宮代出身で仲良しでした。
未来とイチローに至っては従兄弟か異母兄弟です。

ママさんは在宅のお仕事でキャパ的にも申し分ないお家です。
ですが、4匹。中猫4匹かあ。
これは個人的な意見なのですが、
主たる世話人にもしもがあった時や災害時の避難のことを考えると
私は「家族ひとりに1にゃん」がベストと考えます。
なにより、猫は2~3匹で可愛がられるのが一番だと、多頭でカオスな我が家を見ていて思うのです。
それに、同級生4にゃん。
若猫の時はいいのですが、高齢になり病気になるのも同じタイミング。
介護や医療費のことを考えると、猫飼いビギナーが一気に増やすのはちと心配。
迷い考え抜いた末、辞退することに。
いやもーほんとにもったいないおばけ出ます。
俺様保護主ここに極めりって感じでベテランボラさんからお叱りを受けても文句は言えません。
それでも、不安や不満を残しての譲渡はできないのです。
そんな中、タイチとシュウを一緒に迎えたいという申し込みがありました。
文句なしの素敵里親さん。
イチローに拘りすぎて、タイチとシュウがしあわせになるチャンスを逃すのも違います。
ここでも迷いに迷いましたが、シュウイチローの組み合わせはすっぱり捨てました。
でも、捨てる神あれば拾う神ありなんですね。
イチローを諦めないで待っていてくださったラデュレ家から再度お声がけ。
同郷とはいえ、すっかり忘れてしまった猫同士のトライアルは順風満帆とはいえませんでしたが、
ご家族の連携プレーで先住猫たちに受け入れてもらうことができました。
イチロー、君はしあわせな猫です。
そして私もまた、しあわせな保護主です。
パズルの最後のピースのように、ここじゃなきゃダメだったんだなあと。
あるべき姿があるべき場所に、パチっとハマった時の充足感を、今しみじみ感じています。
イチロー、時間かかってごめんね。
どうしても、君の右に赤いマークをつけたかったんだ。
一等賞の赤い勲章を。

卒業おめでとう。

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