
モモはすくすくと育ち、生後4ヶ月で体重が2kgになりました。
これまで2階の部屋から出ようとしなかったのに、時々下に降りてくるようになりました。
私の家は自宅兼会社で、2階が私達の部屋、1階が会社です。
モモは、相変わらず泣き虫です。
泣く時以外は、無口です。
泣き方が以前より激しくなりました。
私は、出張で家を留守にしたことがありました。
激しく泣くようになったのは、多分それからです。
留守中、会社の事務の人にモモの世話を頼みました。
私が戻ると、「猫ちゃん、泣いてましたよ」と彼女は言いました。
モモは、私が玄関を出ようとすると烈しく泣きます。
玄関から先は、モモにとって別世界です。
野生の猫の母親は、子猫がある程度成長すると、子猫を置いて離れていきます。
今のモモの時期は、その時期に近いのだと思いました。
モモの泣き声は、「私を置いていかないで」「私を捨てないで」「私、まだひとりで生きられないよ」と言ってるようでした。

その頃読んだ動物学の本に、「母猫は子猫がある程度大きくなると、子猫に興味を失って離れていく」と書いてありました。
私は、それは間違っていると思います。
きっと母猫も、辛くて辛くてたまらないのです。
しかし厳しい野生の世界では、大きくなった子猫をそれ以上育てられないのです。
現代人は豊かになって、飢えの苦しさを知りません。日本でも百数十年前は、貧しい農村で子供を育てられなくなった親が子供を川に流して捨てる習慣がありました。童謡の「シャボン玉とんだ」は、その子供をシャボン玉に例えた歌だという説があります。
猫の愛情の深さは人間と変わらないと思います。
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