私が反対しているのは、地域の違いや個体の状況を無視した、無差別なTNRです。
このことは何度も言いましたが、いまだに誤解している方がおられるので、再度申し上げます。
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私は、2008年から数年間、横浜国立大学と共同研究をしていました(猫の研究ではない)。
横国大は小高い丘の上にあり、キャンパスと森が共存した環境の良いところです。
初めて訪れた時、構内におびただしい数の猫がいることに驚きました。
こんなにたくさんの猫を見たのは初めてでした。
後に、横浜国大でTNRが開始されたという話を聞き、素直に良かったと思いました。
2010年代前半のTNRは、猫が大発生した場所で局地的に行われ、おおむね健全だったと思います。
変だなと感じるようになったのは、2010年代後半からです。
周囲でTNRをする人が出てきたのです。強引な、猫をさらって切って捨てるやり方が目立ちました。
何でこんな所でTNRなんだと思いました。
どうぶつ基金が、さくら猫TNRを全国展開しようとしていることを知りました。
「スグやる 全部やる 続ける」、有無を言わせぬやり方です。
猫が増えていない地域、減っている地域でも、無差別です。
どうぶつ基金は、政治家や行政とパイプが強い様です。
地方行政の政策に、「どうぶつ基金」の意向が入ったものが、ちらほら出るようになりました。
将来、TNRやさくら猫活動を義務化するような法律ができるのではないか?
そうなれば大変なことになる、心底恐れています。
日本中の野良猫が全部さくら猫になってしまう。そして、家猫も避妊、去勢。
そうなれば猫はどうやって子孫を残せばよいのでしょうか?
他の人の日記を読むと、同じ懸念をされている方が、少なからずおられるようです。
少数民族のジェノサイドが問題になっている隣国、以前人口抑制の為「一人っ子政策」を実施しました。
夫婦一組につき子供の数は一人だけという政策です。
強引なあの国でも、さすがに出生数ゼロにはしませんでした。
わずかでも次の世代を残しておかなければならないからです。
猫も、一緒です。
目的は、猫が必要以上に増えないようにすることであり、猫をゼロにすることではないはずです。
全国一律、無差別のTNRを、なんとしても止めなければなりません。
現在、猫が大繁殖している地域では、TNRがやむを得ないのかもしれません。
しかし、猫の数が増えていない、或いは減っている地域も少なくありません。
その様な地域で、「スグやる 全部やる 続ける」をされたら、野良猫は絶滅してしまいます。
地道な保護活動こそ最善です。
そして、野良猫も家猫も「全部やる」ではなく、多少なりとも次の世代を残す配慮が必要だと思います。
猫も人間も子孫を残さねばなりません。
海辺の野良猫
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