5月中旬に保護した白サバ、長毛、茶白の3匹。
6月上旬に保護した捨て猫親子の息子達、茶トラA、茶トラB、白黒の3匹。
7月下旬に保護した、赤ちゃん猫4匹のうちの生き残った1匹。
里親募集をしなければならないのですが、病気の治療、赤ちゃん猫の世話、ノミの大発生などで、なかなか始められません。
ある日の夕方のことです。
子猫たちが集団脱走しました。
部屋の窓の鍵を開けて、抜け出したのです。
よく鍵を開けたものだと感心しましたが、手引したのはどうもこいつ。母猫です。

子供も成長し、ようやく手が離れ、たまには外で息抜きしたい。
部屋の中は子猫ばっかりでつまりません。
この前も、器用に網戸を開けて外に出ました。
私は、窓を締めて鍵をかけました。
母猫は、うらめしそうに見ていました。
しかし、ただ見ていたのではなく、鍵の仕組をじっと観察していたのです。
その日は、多分母猫が鍵を開けて抜け出した後、子猫たちが後をついて行ったのです。
母猫は分別ある大人なので、少し散歩して気晴らししたら満足して部屋に戻ります。
しかし子猫達はもう面白くてたまらず、戻りません。
私が駆けつけた時、母猫は何食わぬ顔をして部屋にいました。
「お前が、手引したんだろう」と文句を言いたかったのですが、証拠がありません。
7匹の猫たち全部が脱走したわけではありません。
脱走した悪い奴らはこの3匹。白サバ、長毛、茶トラA。

脱走しなかった良い子。白黒と茶トラB、それから赤ちゃん猫。

そもそも赤ちゃん猫は私の部屋に居り、それに窓に飛び上がれないので、脱走は不可能です。
そして、脱走しかけて途中で投降した、茶白。

白サバと長毛は、庭の中にいてすぐに捕まりました。
ところが、茶トラAが見つからないのです。どうも遠くに言ったみたいです。
私は、母猫と一緒に、茶トラAを探しに行くことにしました。
母猫は途中まで私の側にいたのですが、よその家の庭に入って行ってしまいました。
仕方がないので、後は母猫にまかせて家で待つことにしました。
しばらくして母猫が帰ってきました。
息子の姿は見えません。
母猫は、面目ないと言った顔をしています。
夜になりました。
とても心配です。
うちの近所、子猫にとって安全な場所ではありません。
こんなのもいます。

うちに遊びに来る大きなオス野良猫も、こいつが姿を見せると逃げ出します。
真夜中になって、茶トラAが帰ってきました。
他の猫達も集まってきて、無事に帰ってきたのを喜んでいます。
私は、茶トラAに、ライオンが吠えるような声で怒りました。
こいつは私が怒っても、決して怯みません。
以前も、危険な場所に何度言っても入り込むので、怒りました。
そのときもじっと私を睨んで、決して謝ろうとしません。
母猫はオロオロして、「お父さんに謝りなさい」と言ってるようでした。
叱られた後、茶トラAは部屋の隅っこで泣いていました。
母猫と兄弟が側に寄って慰めていました。
茶トラAは小さかった時、産まれたばかりの義理の弟(白黒)の面倒をよく見ました。
(その時は、女の子だと思っていました)。
勇敢で、負けん気が強く、愛情が深く、猫の良きリーダーになれそうです。
家猫にするには惜しい。
野良猫として、去勢しないで、男らしく、太く短く生きさせてやりたいと思うことがあります。
オス猫は、家猫の場合は去勢するのが望ましい。
発情のこともありますが、去勢しないと家の中では有り余るパワーを抑制できません。
逆に野良猫は、去勢すべきではない。
男らしさを失うと、厳しい外の世界で生き抜く事ができません。
いまいる6匹の子猫達、皆オスで、取っ組み合いして、暴れまわって、家の中のものを壊しまくっています。
外で生きるための勉強をしているのです。
猫は本来、犬以上に外の生活に適しています。
木に登ったり、穴に入り込んだり、茂みに隠れたり…。
ずっと昔からつい最近まで、そういう生活をしていました。
急激な社会環境の変化によって、外飼が困難になってきた。
うちの、モモもNoraも完全室内飼いです。
やはり交通事故が怖い。
実際、これまで交通事故で死んだ猫を見たのは一度や二度ではありません。
また最近は、猫追いかけ回す、捕獲器持った怖い人間も出没します。
昭和の頃は家猫も自由に外に出られましたが、今はその自由がありません。
できることなら、多少は外で過ごせるようにしてやりたい。
難しい問題ですが、「このやり方じゃなきゃダメ」ではなく、色んな可能性を探るべきだと思います。
また猫には、野良猫という別の生き方もあるということを、理解するべきです。
最近のコメント