私は、Noraの妹と呼んでいます。
左が義理の妹 右がNora

この猫、多分、以前会ったことがあります。
今年の4月末頃に、庭で一匹の子猫を見かけました。
去年の秋に生まれたにしては小さく、今年の春に生まれたにしては大きい子猫でした。
私を見るとすぐに車の下に隠れました。
急いで部屋に戻り食べ物を持って出ましたが、もういなくなっていました。
きっとその時の猫です。
半年経ち、ずいぶん大きくなっていました。
以前見た時は白キジかキジトラに見えたのですが、今見るとスモークがかかっており、色も灰色がかっています。

ある人に聞いたところ、この柄はブラックスモークタビーといい、元々日本猫にはなかったそうです。
半年間、どうしていたんだろう?
ずっと近くにいて、時々うちに来てたのかな?
庭に置いてあるご飯は他の猫たちが食べてしまうので、あまりありつけなかったはずです。
実は野良猫にとって食べ物は、最も切実という訳ではありません。
人のいる場所には、食べるものが結構あるのです。
野生動物も、食べ物を求めてやってきます。
野生動物は山の中にいると思いがちですが、実際は人の住む場所と隣り合わせで暮らしています。
たぬき、アライグマ、ハクビシン、イノシシ、サルなど、日本の大部分の野生動物が、人間の食べ物に依存しています。
人がゴミだと思っているものの中に、食べるものがたくさんあります。
山の中で苦労して得るものよりも、ずっと美味しい。
野良猫も、これらの野生動物と似たような暮らしをしています。
今年庭に食事を置くようになって、食べているのを確認した野良猫の数は5匹です。
一方野生動物はアライグマ、たぬき、ハクビシンの3匹です。
野良猫の数と野生動物の数、それほど差がありません。
アライグマとたぬき

たぬきはまるまる太っています。山で見かけるやつより太い。
野良猫は、これらの野生動物と競合しています。
喧嘩をすると野生動物のほうが大体強い。
しかし餌を獲得する能力は、野良猫のほうが優れています。
人が排出する食べ物以外に、ネズミ、トカゲ、鳥、虫などが餌になります。
特にネズミは、山よりもむしろ街にたくさんいて、しかも一年中います。
そして猫は、ネズミの捕獲を最も得意とする狩猟動物です。
野良猫は、贅沢言わなければ、ネズミを食って生きていくことが出来ます。
野良猫にとって、より深刻なのは住む場所です。
野良猫の住める場所は年々減ってきています。
一匹だけならまだ良いですが、出産して子育てできるような場所はなかなか見つかりません。
野良猫の母親が、しばしば人に我が子を託すのは、そういう事情もあるのだと思います。
Noraの妹は、毎朝うちに来て夕方まで大体庭にいます。
そして晩御飯を食べたら帰ります。
どこで暮らしているんだろう?
決まったおうちはないのかもしれません。
最近うちに来るようになったオス猫。
体中傷だらけです(写真の反対側にも大きな傷があります)。
オス猫同士の喧嘩か?野生動物と争ったのか?

後ろでNoraと妹が噂しています。
「お姉さん、あのひとキズだらけよ!」
「…」
「私、ちょっと行ってくる。」
「おにいさん、大丈夫?」
「痛くない?」

やさしい子です。
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