死にかけていた野良猫を、うちに連れて帰りました。
その3ヶ月前、18年近く一緒に暮らしたモモが死に、一人きりの生活でした。
もう猫を飼う気はありませんでした。
どうするか決まらないまま一緒に暮らし、4月になりました。
この猫を家族にすることに決めました。
私の二番目の娘。Noraと名付けました。

当時、モモを失った悲しみと、残虐行為を繰り返すTNR活動家に対する怒りでいっぱいでした。
悲しみ、怒り、ネガティブな感情は、脳を破壊します。
抗ストレスホルモン(ステロイドホルモン)の分泌が促進され、脳の記憶に関わる神経細胞が破壊されるのです。
辛く苦しい記憶が蓄積されると精神が持ちません。
ステロイドホルモンは、それを避ける防衛機能として、記憶力を低下させるのです。
私の記憶力も低下しました。
何か書く時、これまでは書き終えたことが頭の中に保存されていたのに、最近所々抜け落ちるようになりました。
危ないなあ。こんな状態が続くと認知症になってしまう。
精神状態をポジティブに、楽しく、面白く過ごすように心掛けました。
Noraと暮らしはじめて、楽しみもできました。
Noraが元気になっていくを見るのは、楽しいことです。
モモは、治療しても治療してもどんどん悪くなり、死んでしまった。
うちに来た時1.85kgだった体重が、4月には2.55kgになりました。
ぴょんぴょん跳ねたり、走り回るようになりました。

Noraの体は悪い所だらけです。
幼い時に患ったカリシウイルス感染症で口喉鼻の粘膜が損傷し、炎症、潰瘍が至る所にある。血の混ざった痰と鼻水。涙目。歯肉炎により前歯がほとんど抜け落ちている。喉が潰れてニャーと鳴けない。猫エイズに感染(FIV抗体陽性)。
それでも順調に回復し、7月には体重が2.8kgになりました。
痰と鼻水は相変わらず多いですが、血が混ざらなくなりました。
エイズ発症も回避できるかもしれない。
しかし些細なことで、9月と11月の二度、体調を崩してしまいました。
食事が摂れなくなり、11月末には体重が2.1kgまで減ってしまいました。
その後の療養により、現在はようやく2.4kgまで回復しました。
9月の体調不良の後小康状態を取り戻したNoraを、外に出すことにしました。
体調を崩してから寝てばかりだったのに、庭を駆け回ったり、木に登ったり、穴を掘ったり…。
もっと早く出してやればよかった。

時々うちに来る野良猫と仲良しになり、一緒に遊ぶようになりました。
その野良猫のことをNoraの妹と呼んでいます。

Noraは生きがいを見つけました。
「人はパンのみにて生くるものにあらず」(モーセ「旧約聖書」)、それは猫も同じです。
精神的な充足は欠かせません。
私も、NoraやNoraの妹と一緒に、散歩を楽しむようになりました。
それまで庭を散歩することなんてありませんでしたが、手入れしてみると良い庭です。

このままNora達と穏やかに過ごしたい。
しかし家の中は平和でも、一歩外に出ると…。
野良猫が、心無い人達によって根絶やしにされようとしています。
野良猫達を守らなくてはいけない。
神経細胞を壊すようなやり方は避けて、ポジティブな気持ちで取り組みたい。
TNR系の保護活動家の中にも、猫のためを思って善意でやっている人も少なくないことを知りました。
金儲けのために野良猫を食い物にしているのは、裏で暗躍している一部の人間です。
「これはおかしい」と感じている活動家も、増えてきているようです。
Noraは今年で3歳になります。
来年のこの日は、Noraも野良猫たちも、もっと良くなっているようにしたいです。
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