最初に、日本語の説明からしなければなりません。
タイトルの「考え直しませんか?」は、「もう一度よく考えてみましょう」という意味です。
ペットフードを否定しているのでも、生肉を押し付けているのでもありません。
先の日記
嘘や間違った情報が氾濫するなかで、いかに正しい情報を見つけるかということがテーマです。
ネットを検索すると、獣医さん達の生肉に否定的な記事が上位に出ます。
いきなり「生肉はあげちゃダメ!」というタイトル、そういうのを「押し付け」と言うのです。
世間の人が見ると、「あー、そうなのかな?」と思ってしまう。
そのような危険性について検討しました。
ネット検索は、商業目的のものが上位に出てきます。
科学的な文献は後ろの方です。
真偽を判断する時、その人がどんな利害関係を持っているかを考えることが重要です。
動物病院の待合室には、ペットフードのポスターがあるのに、お肉屋さんのポスターは貼られてない。
そういう所に目を向けます。
ペットフード会社と利害関係のない「ぽちたま薬局」さんの生肉に肯定的な記事を載せ、獣医さんの記事と対比しました。
どちらが正しいかは置いといて、立場の違いでこんなに意見が違うということを示しました。
動物園のネコ科の動物たちが、トリや牛の生肉を食べていることを紹介しました。
スーパーなどの衛生管理したものではない生肉です。
うちのNoraにも生肉を食べさせています。

しかし他の方に、同じ様にしなさいとは言いません。
高齢の生まれながらの家猫に、いきなり生肉を与えるのは良くないかもしれません。
それぞれの猫の実情によって決めるのが良いと思います。
生肉で最も気になるのは衛生上の問題だと思うので、それについて補足します。
まず細菌についての基本的な事を説明します。
ばい菌は怖いもの、危険なものと考えている人が多いと思いますが、実はほとんどが無害です。
人がする大便は腸内細菌の塊、重量の半分以上が大腸菌を始めとする腸内細菌です。
「腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています」。
出典:「腸内細菌と健康」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html#:~:text=%E8%85%B8%E5%86%85%E3%81%AB%E3%81%AF%E7%B4%B0%E8%8F%8C,%E4%BD%9C%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
人の体は細菌の棲家、毎日お風呂できれいに体を洗っても、お腹の中は細菌さんでいっぱいなのです。
細菌を、悪いものとはせず、共生を認めましょう。
問題は、人に害を及ぼす細菌、ウイルスです。
猫は、食べ物に付着した細菌に、一般的に「細菌感受性」が低い(あまり病原性を発揮しない)です。
肉食のネコ科の動物は、人のような雑食動物に比べて、細菌に対する抵抗力がはるかに高いです。
抵抗力が高いと言うよりは、お腹の中に菌が入っても無症状。
人には有害な細菌が、猫にとっては無害な腸内細菌の一つなのです。
そうでなければ何千万年もの間、肉食獣をやっていけません。
「人が食べられないものを猫に与えちゃダメ」というのは、ナンセンスです。
猫は、カンピロバクターで発病することはほとんどありません。
https://www.konekono-heya.com/byouki/zoonosis/campylo.html
https://www.anicli24.com/column/cat-bacteriogenic-enteritis/
実は人でも、発病することは少ないし、症状は軽いです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html#:~:text=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%8F%E3%81%8C%E5%9B%BD%E3%81%A7,%E3%81%A7%E6%8E%A8%E7%A7%BB%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
トキソプラズマは、カンピロバクターよりももっと発症が少ないです。
人でもほとんどの人が無症状、いわんや猫をやです。
世界の人口の3分の1、ドイツ人、フランス人の半分以上が保菌者だそうです。
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/kisyo/10_Toxoplasma_Nagamune.pdf
ネズミは、人にとって有害な細菌、ウイルスをたくさん持っています。
病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、クリプトスポリジウム、ノロウイルス。
野鳥も、多くの病原菌を持っています。
ネズミをおみやげに持ってきてくれた野良猫

野良猫は、ネズミや野鳥を捕食しているので、当然これらの病原菌を持っている可能性が高いです。
言い換えると保護猫は、これらの病原菌の保菌者である可能性が高い。
感染が少ないのは、ブリーダーまたは自家繁殖の猫です。
ここで大事なのは、人にとっては病原菌でも、猫にとっては無害な菌だということです。
ライオンは、新鮮な肉ばかりを食べているわけではなく、屍肉も食べます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3
シマウマさんも、いつも都合よくライオンさんの餌にはなってくれません。
食べないと餓死するんだから、どんなものでも食べますよね。
困るのは、細菌学の基礎知識のない獣医さん達が、ネットで生肉の不安を煽ることです。
医者の役割は、臨床データを発表すること。
何の証拠も出さずに、不安を煽るのは医者にあるまじきことです。
実は私、先日ネコ写に野良猫たちにペットフードを食べさせている写真を投稿しました。
https://www.neko-jirushi.com/nekosha/238100/

「ペットフード食べさせているじゃないか!」と、誰かツッコミ入れてくれるかと思ったのですが…。
私は、ガチガチの生肉主義者ではありません。
私は、既存のイデオロギーも主義も持ちませんが、猫自由主義者です。
猫のようにとらわれがなく、自由に考え自由に生きるという主義です。
今の日本は「不自由主義国」です。
何もかもが管理と決まりでガチガチになろうとしている。
猫を取り巻く世界でも、「完全室内飼いじゃなきゃダメ」「子猫のうちに避妊去勢しなさい」「マイクロチップ入れなさい」「高齢者は猫飼っちゃダメ」「生活保護者も猫飼っちゃダメ」「〇〇の高級フード食べさせなさい」「野良猫は存在しちゃいけません」…。
ペットフードにするか生肉にするかは、それぞれの飼い主がそれぞれの猫の実情に応じて決めればよい。
それが猫自由主義です。
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