12月も半ばに入り、宗教的には関係のない日本の皆様も、クリスマスの用意に忙しくおいでの様、本日はイタリアのクリスマス事情、ご紹介いたします。
イタリア語ではNATALE (ナターレ)と呼びます。イタリア語はわれわれ日本人にはなじみのある、ローマ字読みです。(ほとんど・・・)
なお、信仰心とは無縁の私のこと、キリスト教信者の方に気分を悪くする表現があった場合、前もってお詫びいたします。
クリスマスは春の復活祭と並んで、キリスト教社会では一番大事な祝日です。
日本人にとってのお正月に当たるでしょうか。家族、親戚が一堂に集まる、家族の祝日です。
12月8日は祝日です。聖母マリア様が大天使ガブリエルより、神の子を宿しているとお告げを受けた日です。羽根の生えた金髪のガブリエルが白いユリを手にし、青い衣装を着た驚く表情のマリア様に差し出すといったシーン、ご記憶にある方もおいでかと思います。2,3年前、レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知が、歴史上2度目の出張ということで、大騒ぎの中日本へ出かけて行きました。
そんな日が祝日なのですから、イタリアにどんなにキリスト教が根づいているか、ご想像いただけると思います。
最近では幾分早めですが、伝統的にはこの日にクリスマスの飾りつけをいたします。そしてクリスマスの準備が本格的になり、翌年1月6日のエピファニア、東方三賢人がキリストのお誕生祝いを持参した日を最後に、クリスマスのお祝い気分は終わります。
クリスマスの飾りつけといえば、クリスマスツリー、これは万国共通です。ローマのいたるところにある広場や、キリスト教の総本山、サン・ピエトロ寺院前の広場にも巨大なクリスマスツリーが飾られます。
ところが、伝統的にはイタリアはクリスマスツリーではないんですよ!
考えてみれば、温暖な地中海式気候のイタリア、クリスマスツリーを飾る針葉樹は少ないです。
それでは何か?これです。
プレゼーペと言います。早い話がキリストの誕生シーンをフィギュアで表したもの(はやりの言葉を使ってみました。)これが伝統的な飾りです。サン・ピエトロ寺院のクリスマスツリーは前法王、ポーランド出身のジョバンニ・パウロ2世が劇的な導入をしました。現在家庭では、圧倒的にクリスマスツリーが多いですが、伝統にこだわってプレゼーぺを飾られるおうちもまだまだあります。
このフィギュアにはピンからキリまであり、1体10,000円以上する手描きのものもあるんですよ。
だから1年に1体ずつそろえていく方も多いです。ナポリの下町には、このプレゼーペの人形を手作り、販売するお店が並ぶ小さな通りがあり、11月末より地元の人や観光客でにぎわい始めます。このお店の中には、伝統的な登場人物羊飼い等意外、時の人なども登場します。今年はオバマ大統領の姿を作った職人さんもいました。
上の写真は私の住む町の、小さな教会に飾られているものです。ローマの有名な教会とは違い、本当に地元の人がお祈りに来る教会です。有名な絵画も観光客の姿もありません。私が入った際、お爺さんが一人お祈りをしておいででした。邪魔にならないよう、絵を見るふりをしてお祈りが終わるのを待ちましたが、やっぱりお爺さん、不思議そうな顔をして私を見ていました。出て行かれるのを待って、すぐに撮影。厩でのキリストの誕生シーンです。クリスマスの当日、マリア様の前に、籠に入った新生児のキリストの人形を置くのです
サンタクロースも、イタリアの伝統ではありません。橇をトナカイに引かせるなんてことは、12月でもお日様カンカンのローマには不可能です。クリスマスリースも違います。
でもここ数年、こんなサンタクロースを飾ることがはやっています。最初の年は、泥棒がベランダにしがみついているみたいで、ニュースになりました。
これはスーパーマーケットに行く途中、目にとまりまりました。10m先のお宅では、ベランダにぶら下がるサンタクロースが飾ってありました。
これは私のクリスマスリースです。上はこちらに来て最初の年、唯一見つけたリースで、雨ざらし日ざらしで色あせていますが、捨てられずまだ門に飾ります。下は玄関のドアに飾ってあります。
そしてクリスマスツリーです。ツリーはプラスチック製。生木とプラスチック製、家庭で使われるのは半々でしょうか。生木は根つきで売っています。1月6日のエピファニア終了後、回収して植えなおすという動きもありますが、生き残れるのはわずか、ローマ周辺では無理です。だから私はず~っとプラスチック製。昨年私の背よりも高い、見た目はほとんど生木のプラスチック製を買ったのですが、物置から引きづり出すのが重い、組立てが面倒くさい・・・と不満たらたらで、小さい古いツリーを、今年の夏の工事で屋根を取り付けた玄関前に飾りました。
昼間見ると貧相な私のツリーも、暗くなればまんざらでもないでしょう?
昨年までは、庭の木に電球を飾り、イルミネーションを楽しんでいましたが、今年はやる気ゼロ。
オジン・オバンの2人暮らし、人の出入りも少なく、信仰心があるわけでない私が飾り、かたずけるのも私…とやる気今一歩どころか今十歩。
それでもやっと人並みに飾りました。
長くなってしまったので、他の習慣にについては次回の日記で紹介です。
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