こんなことをお聞きになったことがおありですか?
欧米諸国にはクリスマスイブと、復活祭の前の金曜日はお魚を食べるという習慣があるということを。欧米諸国=キリスト教社会です。
私の住む町は、ローマ近郊の漁港のある街です。
これは一番有名なお魚屋さんです。23日12時前に撮った写真です。とても小さいのですが、ローマからも買いに来るのでお客様でいっぱいです。何年か前の24日の朝、番号札をとって待つのですが100人以上待つことになりました。中には予約をして順番待ちを避ける方も多いです。
でもね、本質的には違うんですよ。
24日はキリスト誕生の前日です。やっぱりお肉はぜいたく品、前日はいわば精進料理を食べてキリストの誕生を待つというものでした。だから野菜とかチーズとかお肉なしの粗末な食事でした。
有名な芸能人がクリスマスの思い出として、クリスマス・イブは冷蔵庫の片づけをしたものだったと語っていました。
ところが消費主義の影響で、お肉なしならばお魚でと解釈したものなのです。お魚は高級品です。ということで、粗食からごちそうへと全く反対の変化をしてしまったのです。
地元のおばさんが24日にイワシを頼んだところ、『奥さん、クリスマスですよ』と、呆れたようにお店の人が返事をしていました。
ここ何年か、ウナギが流行っています。元はナポリの習慣なのですが、から揚げにするそうです。通常お魚屋さんでウナギを見かけることはありませんが、このシーズンになるとわんさと入荷されます。当然生きたもの。バカでかいから気持ちの悪いのなんのって。
ナポリの人たちは、われわれ日本人と同じように縁起を担ぎます。ウナギは細長いので、頭と尻尾がくっつき円を描くので、終わりがなく縁起ものだそうです。
夕食後は、家族がそろって真夜中のキリスト誕生のミサまで時間を過ごします。カードやゲームをしながら、ドライフルーツやあの有名なパネットーネを食べながら真夜中を待ちます。1キロの重さのパネットーネ、60,000,000の人口に対して、150,000,000個の売り上げをするそうです。
パネットーネとは、ミラノ発祥の早い話レーズンやオレンジ・レモンピールの入った菓子パンです。本物は2日間かけて作り上げるものですが、家庭用のレシピを見つけたので、興味のある方作ってみてください。イタリア語サイトですので、試しにグーグルの通訳を利用してみたところ、へんてこりんな日本語が飛び出したので、もしご質問があればメッセしてください。お手伝いいたします。
http://www.ricette-tipiche.com/rc175_Panettone-Casalingo.htm
本日は皆様のために、典型的なクリスマス時のお菓子、並べてみました。左からパネットンチーノ(小さいパネットーネ)、トローネ(蜂蜜と砂糖を練り合わせたものにナッツ類を混ぜ合わせた軟らかい砂糖菓子の様なもの)、下はアーモンドの粉のクッキーにチョコレートをかけたものです。
でも親戚が集まるってことは大変なことです。夫婦と子供の家庭、夫婦にはそれぞれ両親がいるわけです。ではどちらに行くか?ほとんどが奥さんの実家です。でも折り合いがつかず、喧嘩も絶えません。。
プレゼントも子供にだけではなく、親、兄弟、親戚にも。
女性に一番望まれるプレゼントは宝石、14歳の中学生には原付です。原付は警察官の給料では買えません。どこにそんなお金があるんでしょうね?
気に入らないプレゼントの場合は、翌年にリサイクルするのですが、何年か後に、自分の買ったものが戻ってきたなんて話も良く聞きます。
家族の大切さを強調するカトリックを信じるイタリア人、結婚した後も実家とのつながりが異常に強いので、些細なことがもとで親兄弟と絶縁する人や、実家を選んで結婚を破棄する人も少なくありません。
私としたら、結婚した以上実家とはある程度距離を置いたほうがうまくいくと思うのですが・・・。嫁姑ならぬ、婿姑のいざこざが非常に多いです。
翌25日はいよいよクリスマス本番。サンピエトロ寺院ではローマ法王のミサが行われ、法王が100カ国語以上でクリスマスのお祝いの言葉をかけられます。この中には日本語もあります。普通は近所の教会へキリスト誕生お祝いのミサに出かけ、待ちに待ったクリスマスランチ。イタリア共和国の歴史は浅くわずか140年。郷土料理食が色濃く正確には”イタリア料理”というものはありません。郷土料理というべきでしょう。
でもやっぱり祝日の花形は、ラザーニャ。ほとんどの地方で食べられます。ただこれにも土地柄で違いがあり、われわれの知っているホワイトソースとミートソースの物は、ボロネーゼと呼ばれます。地方によっては肉団子やゆで卵、グリーンピース等を入れ、聞いただけでげっぷの出そうな超豪華なものもあります。
そしてセコンドは子羊の肉。子羊とヤギの消費は年間7,000,000頭、
内6,000,000頭は、クリスマスと復活祭に集中しているそうです。
私、個人的には子羊食べません。本当は好きです。何年か前の春、バスの中から子羊を1頭見かけました。真っ白で小さくまるで子犬の様。しばらくたってふと考えたことは、『もしかして復活祭用?』でした。以後子羊は食べません。ミルクしか飲んでない子を食べるなんて・・・。私ベジタリアンではありません。でもこちらであまりに食肉に関するニュースに生きている動物を見せられて、お肉からは遠ざかりました。
そして翌26日も祝日、やっぱり1日中、食べて飲んでしゃべってすごします。
25日、26日の午後に映画を見に出かける習慣もあります。
今年は27日が日曜日。午前中はスーパーマーケットも開くと思いますが、私が来た当時は日曜日は開かず、買いだめをしなければいけませんでした。
私は諸事情により、クリスマスは一人でニャンズと一緒に過ごします。
この年末にそんな方はいらっしゃらないと思いますが、おひまでしたらメッセしてください。
見つけ次第、すぐにお返事いたします。
北の方では雪の積もったホワイトクリスマスのようですが、ここローマ周辺は温かさが戻りました。
それでは皆様、BUON NATALE!(ブオン ナターレ)メリークリスマスです。
クリスマス関係なし、プレゼントなしの我が家のニャンズです。
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