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◉FIPとは…
猫伝染性腹膜炎という猫の病気です。
1歳未満の子猫に多く、腸内にいる猫コロナウイルスが変異することで発症するといわれています。
治療をしなければ数日~1ヶ月ほどでほぼ100%、死に至ります。
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とにかく流行っている病気なのは確かです。
シェルターを持っているような団体ではほぼ出ていますし、まわりの個人ボランティアの間でもちらほら聞くようになりました。
ペット保険会社の営業曰く加入猫の10匹に1匹くらいの割合で出ているとのこと。
そして一昨年、ついにネコスペでもFIPが出ました。
TNR予定が横隔膜ヘルニアで急遽保護したヒゲ子です。
譲渡して3年、ヒゲ子は6歳になっていました。
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私も里親さんも、FIPは子猫かシニアがなる病気、と考えていたのでかなり狼狽えました。
治療は未承認薬を使うため、かなりの高額医療です。
里親さんは、治療しない選択はないと即答、注射ではなく内服薬を希望されたのですぐにねこけん病院を紹介しました。
数日後にMUTIANの後継であるCFNで治療を開始し順調に寛解しました。
1年後の今も後遺症なく元気に暮らしています。
ヒゲ子は5kgあったので薬代だけで170万円かかったとおっしゃってました。
「軽自動車を買ったと思って忘れます!」と里親さん。
FIP治療はけして当たり前の選択ではないです。
迷うことなく治療してくれた里親さんにはただただ感謝しかなく、二度も死の淵から生還できたヒゲ子はラッキーガール以外の何者でもありません。
そして今月、2匹目のFIPが出ました。
ちょうど1年前に腸重積の手術をしているこなつです。譲渡して半年、1歳4か月での発症です。
「治療を迷っている」と里親さん。
もし治療をしないという判断をされたなら、
戻してもらって私たちで治療しようと預かりさんと話していました。
50万円、、、夜バイトすればなんとかなるでしょ!と。
ヒゲ子の時よりも選択肢が増えていたので備忘録として残します。
私たちは注射は考えておらず内服薬で検討しました。体重3kgでの薬代のみの金額です
(※治療費や治療法は病院により様々です。↓は相談した病院から提示されたものです)
1)CFN
再発率1%以下・再発保障あり・治療期間84日・金額100万円
(再発や副作用が少ない。ただし高額)
2)GS-441524
治療期間56日~84日・金額40~50万円
(英国の許可認証受けている・効果次第では治療期間が短縮される)
3)モルヌピラビル
治療期間84日・金額4~5万円
(発がん性や催奇形性を有する薬剤。軽症例のみ推奨。安い)
結局、娘さん夫婦が医療費を支援してくれることになりGSでの治療になりました。
幸いなことに超初期での発覚です。
ごはんを食べなくなってすぐに夜間救急に行ってくれたこと、(フル検査された)
その後のかかりつけ医がすぐにFIP診断をしてくれたことが大きかったです。
なお、こなつは腹水はたまっておらず、しこり、貧血、白血球の増殖がありました。
ちなみに、茨城県にはこれらの未承認薬を取り扱っている病院がまだありません。
なので、初回だけは都内の病院で受診し、安定したら地元のかかりつけ医で検査、薬は郵送という形の治療を行っています。
FIPは1日も早く治療をはじめることが重要とされています。
食べない、沈鬱、神経症状、腹水など、いつもと違うおかしいなと思ったら、FIPも疑ってください。
そしてもしもの時のペット保険は頼りになります。
これから猫を迎える方はぜひ検討してみてください。
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