セミコの事

2024年3月9日(土)

セミコ

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1年ちょっと前、ボランティアさんが捕獲器に入ったセミコの保護先を探しておられ、うちで良ければと手を挙げた。

お預かりしていたオリーブが里親さんのお家に行ったすぐあとだったので、空いた席をセミコに使おうと思ったのだった。

うちに来た当時は固まっていて全くの無抵抗で、抱っこもできて、これはすぐに里親さんを見つけられそうだと喜んでいたら、フリーにした途端に野良猫に戻ってしまった。

人は嫌いでも猫とは仲良くできる子で、我が家の先輩猫たちの中に上手く溶け込んで、一緒に遊んだりくっついて寝たりと、猫関係に神経をすり減らす事は無かった。

共に暮らして様子を見ていると猫の性格がなんとなくわかる。

セミコは陽気な子で、屈託のない美少女だった。

我が家の猫の誰とでも仲良くしていたし、怒りん坊のフィービィーともよく遊んだ。

玩具を咥えて運ぶ姿は可愛らしく、二階から鈴入りボールを転がす音が聞こえたものだった。

トイレのエチケットを先輩猫から学んでいたのも面白かった。

多頭崩壊のお家から来たチカコは、チッコをペットシートでするのだけれど、チカコのトイレスタイルを暫く観察していたセミコが、いつの間にかペットシートでチッコするようになっていた。

最近、セミコがウンPするところを見て、そのウンチングスタイルがリンの真似だということに気が付いて笑った。

神経質なリンは前足をトイレの縁に置いて、二本足で立って用を足すのだ。

リンはたぶん、足が汚れるのが嫌なのだと思うけど、
ペットシートのトイレでチッコして、チッコに濡れた足で平気でウロチョロするセミコが足の汚れを気にするはずも無く、セミコは単にリンの真似をしているようだった。

うちに来てたったの1年ちょっとのセミコが、自分の中では結構大きな存在になっていた様で、火葬してもらっている間涙が止まらずに我ながら驚いた。

セミコの死因ははっきりしないけれど、シャレちゃんを含め、うちにいた身体の小さな子達は発育段階で問題があったのか、何か不調を抱えている。

シャレちゃんは全盲だし、こまちも少し食べすぎるとお腹を下したり、酷い口内炎だったりと丈夫な子では無かった。

オリーブは後ろ足の筋力が弱く高く飛び上がれないし、こまちと同じくお腹は弱いようで里親さんは心配が絶えない。

同じ様に身体の小さなセミコが何か問題を抱えていたのか、そんなふうには見えなかったけれど、人馴れして触れるようになっていれば些細な変調に気が付いた筈だった。

ワンニャンの骨壺がまた増えて、今のところその数は私の後悔の数。

40 ぺったん