6月から我が家に居る保護子猫の存在がストレスになっていたのだ。
人馴れしてない子猫だったので、たっぷりと時間をかけて人馴れさせたのだが、その間トラは寂しい思いをしていたのだろう。
子猫が病気持ちだったので里親探しをあきらめて我が家の飼い猫にしたら、ますますトラのストレスは大きくなった。
保護部屋から出た子猫の花丸は、大人の猫達にじゃれついた。噛み癖があるのでけっこう痛い。
茶太郎は嫌がって高いところに避難し、ミケは自慢の大声で威嚇して花丸を追い払った。
トラは逃げ回って唸っていた。
じゃれつかなくてもそばを通るだけでも唸るようになり、相当なストレスになっている事がわかっていた。
でもこういう場合、どうすればいいのだろう。
どちらかを隔離なんて可哀想でできない。
仕方なく水スプレーを常に持っていて、花丸がトラに近づいた時には、シュッと一吹きしていた。
そんな状況だったのだが、今月16日午後にトラはいなくなった。 ただ単に外に出たかったのではなく、家出したんだとはっきりわかった。
我が家はトラにとって居心地の良い場所ではなくなっていたのだ。
それから毎日、早朝、夕方、夜に捜索したのだが見つからなかった。
3日後には自分で探す限界を感じて、猫探偵に捜索依頼の電話をしたのだが、忙しかったらしくて返信をもらえずに、翌日には別の猫探偵に捜索を依頼した。
来てくれたのは電話の翌日。
すでに行方不明から5日が経過していた。
夕方やって来た猫探偵は、雨の降り出したなかで2時間くらい捜索してくれた。
翌日も夕方にやって来て、今日からチラシを配りますと言って捜索を開始した。
30分後、猫探偵から電話が来た。
「目の前にトラ猫がいるんですけど、確認に来てもらえませんか。」
場所を聞くと我が家から直線距離で100メートルくらい。
サンダルをつっかけて走っていくと、1軒の家の前に猫探偵が立っている。
その家の駐車場の奥のゴチャゴチャと置かれた箱の間から猫がこちらを見ていた。
暗いからよくわからなかったので、トラ、トラーと呼んでみたら、こっちにやって来た。
トラだった!
しっかりと抱きしめてボロボロと涙をこぼしながら自宅に連れて帰った。
その家の前は何度も通ったのに、私には見つける事ができなかった。
猫探偵というのはさすがにプロで、歩きながらどこを見るかというのが、素人とは違うのだろう。
トラが戻ってきたからといって、我が家の状況が変わるわけではないので、相変わらずトラにとってはストレスの溜まる場所ではあると思う。
私にできる事は、トラが寂しさを感じないようにトラファーストで愛情をいっぱい与える事。
ド田舎だから猫が外に出ても帰ってくるさくらいの感覚で、猫が外に出てしまう事に危機感はあんまり無かったけど、ちょっと反省。
これからは猫達全員にとって楽しい我が家になるように努力します。
と、我が家の猫達に誓うのであった。
家出前日のトラと花丸
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