トラが自分の毛をむしるようになった。
寝ている時以外はひたすら毛づくろいしている感じで、時々一気に力が入って自分の脇腹の毛や前足の毛をむしり始める。
止めさせようと手を出すと、その手に噛みつき離さなくなった。
トラの脇腹や前足はハゲだらけになり、私の手は絆創膏だらけになった。
チビ猫を隔離するのが可哀想で家中フリーにしていたのだがもう無理だと思い、夜間はトラだけを寝室に入れる事にした。
チビ猫は寝室に入りたがったが、心を鬼にして無視。
しかしそれだけで、トラの精神状態は好転しなかった。
数日後、廊下にぼんやり座っていたトラを抱き上げようとしたらトラが突然叫び声をあげたのだ。
ビックリして手を離すと、トラはキャットタワーの下に逃げ込んだ。
私がかがんで覗き込むと、トラはまったく見た事の無いような赤の他人の目つきで私の顔を見上げた。
そしてまた叫び声をあげた。
トラは壊れてしまった。
すぐにチビ猫を捕まえて、保護部屋に隔離した。そして玄関で外に出たがっているトラのために玄関を開けてやった。
夕方になかなか帰らないトラを探しに行くと、以前猫探偵がトラを見つけてくれた場所にトラが居た。
他人の家の庭の奥なので勝手に入る事はできない。
名前を呼ばれてトラは顔を上げるが、私のところに来ようとはしない。
もう信頼関係は無くなってしまったのかと思い、ただただ悲しかった。
追い詰めると別の場所に移動してしまうので、深追いはあきらめた。
そしてその日は帰って来なかった。
翌日は雨降りでだんだん強くなってきたので、トラが戻ってくるかもと期待して待っていたら、夕方にトラが戻ってきた。
あ〜良かった!
まだ完全に見捨てられたわけではなかった!
トラとの関係にはヒビが入り、かなりガタガタにはなってしまったが、まだ何とかやり直せるのかもしれない。
私のストーカーだったトラは、トイレにも風呂にも寝室にもついて来なくなってしまった。
でも、明け方に目が覚めると足元に丸くなってる。
チビ猫は保護部屋に逆戻りで、寂しくて毎日鳴いている。
でももう自宅フリーにする事はない。可哀想だけど仕方ない。
自分で撒いた種なんだけど、ここまでひどい事になるとは思いもしなかった。
これからだんだんとトラが元通りになる事を願うのみ。
トラのハゲ

最近のコメント