背丈は黒タンと変わらない。
パワーもみなぎっている。
暴走は日々拍車がかかっている。
かまってオーラもビラビラしている。
ビビリはちっとも治ってない。

今日、なるとは脱走した。
それは、本人でさえ予期しなかった。
故に、心の準備ができていなかった。
ことの一部始終。
今朝もなるとは暴走に磨きをかけていた。
玄関から風呂場までのストレートライン。
「だだだだだだだだだだだだだだだだだだああああああああああ!」
管理人室から座敷までのクロスライン。
「どどどどどどどどどどどっっっっっっっっっっ!」
黒タン襲撃ピンポイント。
「ぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
管理人クライミング。
「いや~~~~~~~~~~、やめて~~~~~~~~~~~」
いつもの光景である。
いつからか、
やけに静かだった・・・・・。
いや、
静かすぎた。
「ん?」
どこからか、なるとの呼ぶ声がする。
いつものお願い声だ。
「どこ?」
「なると~、なると~」
あの台風の目は影も形も見当たらない。
「いない?」
「声はするけど・・・・」
「玄関しまっているし、閉じ込められるところもない」
予感がする。
「るーるーるーるー」火星人・・・・あぁ、懐かしい!
ひょっとして・・・・・外?
まさか、・・・・・・・・・・!備後、いや、ビンゴ!
なるとが登ってゴキゴキした管理人室の網戸が15cmくらい開いていた。
「ひょえ~~~~!」
いつもはカーテンが掛かって見えない位置。なるとだけが行き来する場所。
偶然開いて、落ちたのか?
走って玄関に行き、「ガラッ!」と戸を開けると
葦簀と管理人の車の間に、ちまっと座っていた。
「な、なると!おいで!」
なんだか、びびったなるとは怖じ気づいたか、動かない。
「なると、おいで」
恐る恐る近づいてきた。
ガシッとゲット!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「もう!なるなる~!」
なるとを家に入れ、外に出てから網戸を閉めた。
レールの上に洗濯ばさみを3コ取り付け脱走防止策完了。
そういえば、窓を閉めた際に外れたもんなあ。
危ない危ない。
家の中に入ったなるとは既に我が物顔。
さっきまでのビビリ顔はどこに隠してきたのですか?
脱走、それは、
覚悟が要る事。
教訓、
「覚悟が無いものは、脱走するべからず!」
しても、脱走するなあ!

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