帰宅を急いでいた管理人は大きい荷物2つと70cm長の三角柱の箱を抱えていた。
博多発の長崎行特急を電光掲示板で確認し、
あと数分で出発だったので、改札を抜けると電車に飛び乗った。
黒っぽい電車だった。
荷物が重たかったのと、邪魔なのと、疲れたのとで
思考能力20%くらいに落ち込んでいた。
この日は正月ということで電車内はほぼ満席で
あいている席を探すのが大変なので、入り口付近にも数名ずつ立っていた。
でも、疲れた私は空いた席を探すべく奥へ。
家族連れのところが1席あいており、向かい合わせにしてあったので
座席後ろの壁際の15cm位の棚に三角柱の箱を寝かせ
荷物を荷物置き場にそろえて置き、「ふ~」と席に着いた。
しばらくして、車掌が通り、検札。
車掌は私の切符を見るなり
「○○駅には止まりませんよ!佐賀駅で乗り換えてください」
・・・・・・・。
『ええ~~~~!』心の中
「はい。」
・・・・・・・。
『停まらないんだ・・・・・。』
乗り換えか。ああ、でも佐賀駅で乗り換えたくない。
今あったらやばい人がいるかも・・・。
短時間であったが、う~んう~ん考えて
『よし!鳥栖駅で降りて乗り換えよう!』
と決まった。
鳥栖駅に近づくと、いそいそと荷物を2個持って電車を降りた。
外は寒かった。人も少ない。
『そうそう、うどんでも食べようか、名物だし。』
でも、そこは向こうのホームだった。
『面倒くさい。いいや』
佐世保行の特急は10数分後に来たと思う。
電車に乗り込み、一息つくと、不思議な感覚というか
何か足りないような、忘れているような・・・・
『あああああああああああああああああああああああああああ!』
感のいい方、もうおわかりですね。
『三角柱がない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
『ない。ない、ない、どうしよう!ああ、ううう、んんん。』
私の頭はパニックになった!
そこに少しだけ冷静な私が戻ってきて、
『長崎行きだし、まだ、そう遠くに行ってない!ローカル線だ!』
偶然にもいつも使っている○○駅の電話番号を知っていた。
すぐに電話をするも、焦りでと乗客の乗り降り音で旨く伝わらない。
さっき乗ってた電車の名前を覚えていなかったし。
「白いカモメだったと思います。よくみていないんです。」
相手も、若く経験不足なのか、応対がまずい。
終いには、
「今改札が混できて、折り返し電話しますから、電話番号を教えてください」
とな。
しかし、私が乗った電車はもうそこの○○駅に着こうとしていた。
「もう来ているので、そこで話します」
と切って、電車を降りた。
失敗したときのあのどうしようもない感、おわかりですね。
そんな気持ちで、改札へ。
改札には、さっきの若い駅員さんとベテランの駅員さんが居て、
応対してくれた。
だが、若い方の駅員さんの感が冴えず、
「どの電車だろう?今の電車より10数分前にここを通過する・・・。」
時刻表を見ながら、分からずに居た。
『お主、てっちゃん(鉄道マニア)ではないだろ?!』
※駅員さんって、てっちゃんばかりだと思ってしまう管理人であった。
ベテランの駅員さんが救いの手をさしのべ、
「色は黒っぽかったでしょう?」
管理人
「黒っぽかったです。」
なんとか
電車名「ツバメ41号」を突き止め、連絡をしておきますって、なった。
そこで、名前とか電話番号とかメモるけど
置いてきてしまった箱の形状を伝えようとするも漢字が思い浮かばなかったらしい。
「三角柱です。はしらです。こんなこともあろうかと、
箱に名前と郵便番号、電話番号書いてます」
そう、予感はしていた。予感は。
いや、学習能力か?経験値か?
つまり、管理人はよく
“ 置いてくる ”。
『くそ~~~~、予感が的中しやがった~~~。うぬぬぬぬ。』
管理人は、駅員さんに頼んで、用務員さんが迎えに来た車で帰路についた。
帰りの車の中で、用務員さんが
「黒っぽいなら、つばめ やろ。」
は!、そうです。
カモメは白くて、ツバメは黒いです。
なぜ、気がつかなかったんだろう・・・。あほだ。
翌日。何の連絡もない。
『連絡しますって、言ったくせに。』
しょうがないので、また○○駅に電話をした。
結論、
見つかった! わ~い、パチパチパチ。
そうだよね、興味ある人にしか価値がないモン。
へんな三角柱の長~い箱なんて持ってたら、目立っちゃう。
爆弾かもしれないし。(そんなわきゃないね。)
長崎駅で拾得されたということで、長崎駅の電話番号を聞いて電話をした。
拾得係の人に紛失物の特徴なんかを確認され、確認が取れ
「じゃあ、その荷物どうしたら、戻りますか?」
って、聞いたら
「取りに来てもらうか、宅配になります。」
といわれ、迷わず、
「じゃあ、送ってください。箱に名前と郵便番号と電話番号が書いてあります。」
と伝え、口頭でも配達先を言い、一応、中身が入っているかどうか確認もした。
「中にポスターが9枚くらい入っているんですけど、見てもらえますか?」
係の人は
「開け口がないので分かりませんね。」
そう、三角柱は形状が変わっているので、普通の人には開口部が分からなかった。
「端の三角のところが開きます。」
係の人
「なんか包まれて入っていますね。」
管理人
「そうですか。じゃあ、それでいいです。そこにガムテープで封をしてもらって良いですか?」
とかなんとか。会話終了。
いつ、私の手元に戻ってくるかなあ~なんて思っていたら
翌日、無事、なくなったときと同じ形で帰ってきた。
こんなことなら、空港で送ろうかと考えたときに送れば、よかったのに。
受け取ったのは、家族だったが、
届けてくれたのは・・・・
クロネコヤマトだった。
黒猫さん、ありがとう!

え?お礼言う相手違うやろって?
いえ、良いんです。戻ってきて嬉しいから、そんなことは。
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