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この著者の作品は強烈なサスペンスホラーが主。
「私これ以上はムリでず~!帰らせてぐだざい~!」
って泣いてんのに、腕をつかまれてグイグイ連れて行かれるお化け屋敷みたいな・・・!読み終えると、あまりのことに腰がぬけているような状態なのに、コワイ物見たさでまた手にしてしまう・・・。中毒性があるんです。
タイトルに「猫」とあるから、まほかる先生。猫を題材にいったい何をやらかすつもりなんですかあっ!?・・・と、恐る恐る手に取ったこの作品。一匹の捨て猫から始まる物語。他の作品同様、オシリがザワザワするような、イヤ~な予感がしっぱなしの一部と二部ではあったけど、読み進むうちに、作者が愛猫家だということが伝わってくるので安堵。とんでもないグロ展開はないよね!?お・お・お願いしますよ!と願いながら最終章・三部へ。
・・・この三部がね。
老いた猫が弱り始めてから、死にいたるまでの全描写なんです。僧侶でもある作者が、愛猫の死に往く様の全てを、物語にのせて綴ったものではないかと思います。
猫の死を目前にうろたえる飼い主に、若い獣医師が言います。
「悲しいのは、これはしかたのないことだと思います。ですが、不安を抱いたり恐れたりすることはないんですよ。だって、今起こりつつあるのは、とっても自然なことなんですから。そうでしょう?
作者・作風の好き嫌いが激しく別れるタイプですし、ホラー物苦手な方には決しておすすめしませんが・・・。私は、私の猫たちやあるいは自分自身が死と直面する時が来たら、その時にもう一度読み返してみようと思う作品でした。その余裕があったらだけど。
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ルナ「あたしも読書しよっと!」
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3秒後
ルナ「ZZZZZ」
リオ「・・・ルナちゃんっ・・・!」
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