カッコーの巣の上で

2014年12月10日(水) 295 / 2

　タビーさんはよく食べる。何故だかウェットフードはあまり好きではなく、ドライ中心だが、しかしポーたちの分も半分ほど食べてしまう。つまり、ドライフードは彼らの倍食べる。

　心配されたお通じも、固いウンチが数日続いた後、ドカッと人間の子供くらいの量を出すのでひとまず安心だ。

　しかし、ラーラとの相性は相変わらず悪く、小康状態かと思うと突然ガッと襲い掛かるので、ラーラはタビーさんが同席する状況では高い所やカーテンの裏に逃げ込み、時に「ウー！フゥー！」と威嚇する声を出している。

　そんな状況なので、パパさんが家にいるときは極力広くは無いが、最初にケージを置いていた和室に一緒に籠る時間が多くなる。

　とても強くて賢い仔である事は間違いないので、一緒にいるときはくっついて色んな話をするようになった。普段の振る舞いが“暴君”であるかのように思われ、パパさん以外の家族はどちらかというとラーラちゃんに同情的なのでどうしてもタビーさんがパパさんコンビが一緒になりがちだ。

　でも去勢手術はリスクがあるのでなんとなくスルーされてしまいそうな空気になってきているが、それよりもボクが気になるのは、もし去勢して大人しくなったとして、それはタビーさんにとってしあわせなんだろうか？という疑問だ。

　ジャック・ニコルソン主演の名作映画に「カッコーの巣の上で」があるが、ニコルソンが演じたマクマーフィーのようになってしまうんじゃないか？という気がしてならない。

　あの映画で、主人公マクマーフィーは婦長からすればどうしようもない嘘つきだったし、問題行動の多い人間であったが、ビリーをはじめ多くの患者にとってはこの上ない理解者だったという面は否めない。でも行き過ぎた行動がとんでもない悲劇をもたらすんだけど。

　もし、タビーさんが去勢した結果、まるで別人（別猫か）のようになったとしたら、ポーはショックのあまりチーフのようにウチを出てってしまう・・・なんて妄想を抱きつつ、「でも予防注射してないんだよなぁ・・・」とタビーさんとゴロゴロしながら考えてしまった。

　先送りする訳ではないが、猫同士のゴタゴタも含めて丸ごと愛してあげられる度量がなきゃなぁ、なんてちょっとカッコつけてみる。

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