幼いころより“普通ではない動物好き”といわれた私、
しかし帰国の度にTVで目にする、異常とまで映る日本のペットブームには、
正直言って、苦い思いをして見ていました。
安易な飼い主が増えるのではないか…
連日のように放映されるペット番組、特別動物好きではない姉も、
わんにゃんの品種をずいぶん知っていることにビックリ…TVの影響の大きさです。
TVで見るわんにゃん、可愛いですよね…特に小さければ♡
飼ってみたくなるのも当然です。
ペットと暮らすということ、ご飯だけでなく、医療費もかかり、家具のダメージも見逃せません。
生き物ゆえ、食べたら出ます。
TVで見る、“かわいい”だけのものではありません。
たくさんあるペットサイトは、ペットブームの影響であるということ、
遅ればせながら気づきました。
「昭和」の“ねこまんま”の飼い方ではなく、
自分の責任での納得の行く飼い方をしたい私がネコ飼いを勉強した本
消費税3%の時代、TAMAを迎える前のことでした。
今ざーっと流し読みすると、現在ネットで得ることの出来る知識とほとんど変わりません。
食事、病気、避妊、当時では最先端であったであろうゲージの利用etc…。
ちなみにこちらでは、ネコ用のゲージはポピュラーではなく、検索すると獣医さん用の、
しっかりした檻が出てきます。
垂れ流しの小僧には、ウサギ用のゲージを購入、断固拒否されたのは前回報告済みです。
しかし病にゃんをいれて介護することに、役立ちました。
長女ネコTAMAは、月齢1ヶ月前後の育児放棄された子でした。
わんにゃんたくさん飼った経験はあるものの、こんな小さな子のお世話は初体験、
私の先生になったのは、上の本とこの親子。
20年近く前のアナログ写真です。
春に現れたかわいい仔猫、養子にするつもりでご飯やり。
カリカリを好まずウエットばかり。
近寄るものの、触ることはできませんでした。
まさかと思う幼いうちに妊娠、初産は全員死亡だったようです。
2度めの妊娠、出産した気配はあるものの、ご飯を食べたらさっさと消える…
警戒心の強い彼女は仔猫を連れて来ません。
一体どうしたのだろう…と思っていた矢先、夕方白い仔猫がウロウロ。
出産後3ヶ月経過でした。
若い母親でしたが、子煩悩なしっかりにゃん。
玄関前に置いた箱の中で一緒に眠り、ご飯は食べ放題、
木にぶら下げたおもちゃを動かすと、飛びついて遊ぶ仲良し母娘。
触れる様になるのを待って、避妊する予定でした。
2ヶ月後、娘は隣家の大型犬に殺られ、母もその後僅かにして交通事故。
短命な母娘でした。
そしてTAMAの登場、
ご飯やトイレのあとのキレイキレイは、私がママの代わりにやりました。
当然のごとく避妊手術を決定した私に、「跡継ぎは見たくないのか?」の質問。
「1匹だけ生まれるわけではないし、私と同程度の世話をしてくれる里親を見つける自信はない」。
身の丈を知った飼い方だと思っています。
一人っ子のつもりでいたものの、いつの間にかゾロゾロ。
全員避妊済み、櫛の歯が欠けるように、数が少なくなりました。
この本の最後に書かれていること…
今のネットで見かける情報と、唯一異なることかもしれません。
「純血種のネコに、雑種をやたらに作らせないで」
かつてペット番組で、「かわいいMIX犬」というものを見ました。
小型犬同士を掛け合わせて、可愛さを強調したい…私にはゲゲゲ、の現実でした。
純血種は、長年交配を重ねて作り上げた傑作で、間違いなく美しいです。
だからこそ、その血を守ってほしい…
ずぼらな私には、純血種の飼育は世話が大変そうで荷が重すぎる。
目の前に落ちているなら拾い上げますが、
出会ってしまった素性の分からない子が運命の子であると思っているものの
切なる願いです。
「売れる犬」ゆがんだ繁殖 遺伝性の病気、日本で突出
http://www.asahi.com/articles/DA3S11781329.html
朝日新聞デジタルサイト、無料ですが登録が必要です。
かつて人気犬種ハスキーに、近親繁殖によるスタンダード外が大量に市場に出回るという
問題があったと記憶しています。
探したわけではなく、偶然目にしたあくまでも犬に関しての記事、
ネコについても多かれ少なかれ、同じことだと思っています。
ブリーダー崩壊と共に、ペットブームが引き起こした傷跡ではないでしょうか。
好ましいことではありませんが、これも現実です。
簡単に流し読みしていたペット雑誌、特定種にありがちな疾患が紹介されていました。
それを最小限に抑えるため、長年が費やされたはず。
特に疾患のなかった日本犬、作り上げた品種ではなかったからだと思っていますが、
最近の柴犬はリストに上がっています。
そして室内飼いの家庭内での自家繁殖、時には直近親族間での交配も見られます。
人間で、近親結婚が禁じられているのには、理由があります。
それを知らないネコならば仕方ない、しかし人間が介入するならば調整ができるはず。
人間の欲とエゴにより、敢えて障害を持つ“可能性のある”子をこの世に生み出すことは、
避けるべきです。
純血種を飼うということ、べテランさんのすることだと思っていた私、
しかし現在は、はじめの一歩でいきなり人気種を手に入れてしまう若い方も、少なく無い様子。
年中無休の、ショッピングセンター内のペットショップには可愛い子たちが並び、
お財布にはクレジットカードが入っています。
ローンも組めるとか…。
お気に入りのバッグのように気軽に外に連れ出し、駅やSAで失踪、
こんな迷子猫情報を見るのは辛いです。
ネコを飼ってみたい…ならばその前に勉強して下さい。
ネコはいつまでたってもネコ、ネコの習性にあった無理のない飼い方が必要です。
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