ザネリが我が家の家族になってもうすぐ四年。
ひとり旅立ってもう5ヶ月。
残された三匹と過ごし、にぎやかなピヌが来て、生活は落ち着いてきましたが
夜、一人になるとまだ色々考えてしまいますね。
![](/img/diary_image/user_10321/detail/diary_99884_1.jpg?h=d41d8cd98f00b204e9800998ecf8427e)
結局納骨はしませんでした。
いつか私が土に帰るとき、一緒に旅立つことができたらいいな、と思っています。
そのときはちーすけやぴりか、コサビ、ピヌも一緒かな?
花はぴりかが食べてしまうので仕方なく造花に。
お供え物のキャットフードも誰かがすぐに食べてしまうので、未開封のものをお供えしています。
生前、大好きだったマタタビの木を供えつつ、思い出話を。
野良猫時代、ザネリとコサビは元々三兄妹で、他に茶トラの子がいました。
震災の年の7月、嵐の夜、親猫を探して鳴き叫ぶ子猫たち。
のちのコサビと、もう一匹は茶トラの子です。
ザネリの存在にはそのときはまだ気がついていませんでした。
二匹とも警戒心がとても強く、人間を見ると猛ダッシュで逃げていきます。
母親はおそらく時々この辺で見かけていた、気の強そうなお腹が白いキジトラ猫。
育児放棄なのか亡くなってしまったのかわかりませんが、
とにかく離ればなれになってしまった様です。
とても自分たちだけで生きていけるとは思えません。
我が家の敷地に現れたのも何かの縁。とりあえず保護しようと考えました。
母親に似て警戒心の強い二匹でしたので餌をあげても全く近寄ってくれません。
仕方がないのでしばらく置き餌をあげて、馴らしてから保護することに。
二週間ほどで、やっと馴れてきて、明日にでも折りたたみケージを使って捕獲しようと思った矢先、
急に茶トラの子が来なくなってしまいました。
とりあえずコサビだけを保護し、茶トラの分の餌は引き続き出しておくことにしました。
すると、その日の夜、餌がなくなっていました。
私はてっきり茶トラの子が来たのだと思い、次の日もまた次の日も餌を置いておきました。
でもその餌を食べていたのは茶トラではなく別の猫であることが判明。
それがザネリでした。
野良時代のザネリ。
この動画はかなり時間がたって、私に心を許し始めていた頃です。
それでもこの後、二回ほど捕獲に失敗(・_・)
カミさんによると、最初に二匹を見つけた夜、雨が強かったので定かではないが
三匹いたようにも見えたと言っていました。
おそらくザネリは二匹と行動を共にしながらも決して人前に姿を現さなかったのだと思います。
そして、そのまま茶トラの子は姿を消してしまいました。
三匹が根城にしていたのはおそらく近所にある材木置き場。
探しに行きましたが茶トラの子もザネリの姿も見つけられませんでした。
なぜもう一日早く保護してあげなかったのだろうと二人で悔やみました。
でも茶トラの子を保護していれば、私はザネリにずっと気がつかなかったかもしれません。
置き餌も下げてしまっていたでしょう。
ザネリの命は茶トラの子によって繋げられたのだと思っています。
ザネリという名前は、私が大好きな宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』の登場人物の名前です。
物語中のザネリはカムパネルラの犠牲により命を助けられました。
このエピソードがなんとなくですが茶トラの子に被ったのです。
また『銀河鉄道の夜』は、ますむらひろしさんデザインの猫キャラクターでアニメ映画にもなっていて、この映画の中のザネリがハチワレ猫でした。(黒と灰色でしたが)
ザネリも兄弟同様非常に警戒心が強く、存在を確認した後も滅多に姿を見せてはくれません。
やっとの思いで保護出来たのは初めて姿を確認してから一月半後でした。
(その間、幾度かの捕獲失敗…)
いつか交通事故やカラスに襲われないかとヒヤヒヤしましたが、何とか無事捕獲成功。
『銀河鉄道の夜』のザネリはいじめっ子で、ことあるごとに主人公のジョバンニを苛めていましたが
このハチワレの子は大人しく優しい性格でした。
あんなに警戒心が強かったのにこのユルさ。
猫って変わるものですねえ。
物語中、カムパネルラは銀河ステーションでジョバンニにこう言います。
「ザネリもね、ずいぶん走ったけど(列車には)追いつかなかったよ」
銀河鉄道は亡くなった人たちを天上へと運ぶ列車です。
私の大切なザネリは銀河鉄道に乗り、天上へそのまま旅立ってしまいました。
先日、ピヌの保護主さんに聞いたのですが、
この方は何年も前からこの地域で保護活動を続けているのだそうです。
もしかしたら、あの茶トラの子も保護されていることを願ってやみません。
さあ、仕事しなきゃ。
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