【名前】マスク・12才・オス(去勢済み)
多分あれは、小学校5年の10月か11月のこと。
ふと目をやると家横の路地にソイツは居た。
変な顔した、子猫でも大人でもない少年猫がそこに居た。
あの時の私は一体何を思っていたのか、
腰を下ろして手を叩きながら『おいでおいで』なんてやって、そしたら『ニャ~』って言って近付いてきたアイツ。
それはとても人懐こい野良猫だった。
猫の生態をよく知らなかった私は、
ゴロゴロ喉を鳴らすアイツを見て病気なんじゃないかって心配になった。体を触ると肋骨が浮き出ててガリガリに痩せ細ってて。知人には『今年の冬は越せないだろうね』なんて言われもした。
その日以来、
ちょくちょく家の土間に入れては、ストーブを焚いてイスに寝かせてあげて。父が帰って来たら一目さに逃げるの繰り返し。でもそれも少しずつ馴れていき、部屋の中にも入ってくるようになって、話し合いなんて一切ないまま、気が付いたら家の子になっていた。
あれから共に生きて11年
色々あって不登校になって、病気になって。
ツラくて、もうどうしようもない時にアイツは側に居てくれた。
唯一の心の拠り所だった。
私の全てだった。
【名前の由来】
知り合い「名前はどうすっと?」
うちの母「マスク被ってるみたいだから、マスクでいいんじゃない(笑)」
私「・・・・・・・・・」
決定