これは、大の猫嫌いだった中年オヤジのゲンさんがひょんな事から二匹の猫を世話することになり、しだいに猫好きへと変貌していく様を書いた実話だよ。
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やっと診察を終えた僕たちだけどゲンさんには薬を飲ませるっていう大問題が横たわっていたんだ。
人間じゃないから飲みなさいって言って飲むわけないしね。病院ではこうして口を開けさせて錠剤をのどの奥に入れるんですよ、なんて簡単に言われたけど結構難しいもんなんだ。
その夜さっそく薬を与えることになったんだ。とりあえずチップ君の餌の上にそっと置いてみたんだ。そしたらチップ君おりこうに食べてしまったよ。
ゲンさんもこれなら簡単だと一週間後にも同じようにしたんだ。
ところが、今度は上手に薬だけ残っていくんだ。そしてついに錠剤が一個取り残されたよ。
ゲンさんも困ってもう少し餌を入れてみたよ。
結果は同じさ。最初に食べたとき薬が美味しくなかったんだろうね。それを覚えてて避けたんじゃないのかな。困ったのはゲンさんさ。
こうなれば無理やり食べさせるしかないって事でバスタオルでチップ君が身動きできないようにし、ゲンさんが両手で口を開けている間にお姉ちゃんが薬をのどに落とす方法をとったんだね。
これもなかなかのどの奥に薬が行かずに何度も吐き出されたよ。
でもね最後にはベチャベチャになりながらもチップ君にようやく薬を飲ませることが出来たゲンさん達だけど、ヘトヘトだったよ。
このとき身をもって感じたよね、いつまでも健康でいればいいけどって。
寄生虫の駆除も出来たこのときは、気候も穏やかな秋のことでした。
そんな秋のある一日については後半編に。
お楽しみに。
※僕たちの近況
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byホワイト
≪お知らせ≫
ゲンさん奮闘記を毎回ご覧頂き有り難うございます。
早いものというかやっとというか半分の五十回まできました。
今月は年度末という事もあり業務が忙しくなりました。
突然ですがしばらくお休みを頂き、四月九日より後半編を開始したいと思いますので今しばらくお待ち下さい。
なお、後半はやっとどうにか寄生虫の駆除まで終わった二匹がいよいよお部屋に入れてもらいます。そしてオス猫人生で最大の決断を迫られることになりなす。そこはまた後半編でお楽しみ下さい。
主のゲンより
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