本を読む読まないは個人のライフスタイルなのかもしれませんが、何かがブームになって、それに対する情報がインターネットにあふれ始めると、自分できちんと精査せず、どこから引っ張ってきたかわからないようなデータを声を大にして広めてしまう人がいるのはいかがなものかと思います。
昨今の猫ブームも然り。
以前に問題になった、特定の猫種の繁殖についてのように出典が定かでないものは論外ですが、ちょっと本を読めばわかるようなこともあるはずなんですが。
たとえば日本における猫の歴史。
日本史に猫が登場したのは、飛鳥・奈良時代に唐からの経典を守るために船で一緒に持ち込まれたから。と、言う説がありますが、(多分、出典は日本霊異記あたり)、最近では弥生時代や縄文時代の遺跡から猫らしき骨が出土したり、所謂輸入された唐猫以前にも猫は存在したと言われています。
もっと時代が下って平安時代には、有名処の源氏物語や枕草子にも猫について書かれているし、和歌の中にも猫が謳われていたりします。
この頃は、猫は紐で繋がれて飼われていたようなので、経典を守るだけではなくペットとしても大切にされていたのでしょう。
猫を繋いだ紐が御簾を巻き上げ女三宮の姿が露わになってしまったことから、柏木との道ならぬ仲が始まることが書かれた源氏物語若菜の章は後世の絵師も盛んに取り上げた題材です。
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ソマリの原産国が、イギリスだのオーストラリアだのソマリアだのは、(個人的にはアビシニアの隣がソマリアと言うダジャレみたいな記述は気に入っていますが。)ドメステイックとして原種がいた国をとるのか、品種改良した国を指すのかで変わってくると思いますし、趣味の世界なので一般的にはどうでもいいことかもしれませんが、せめて日本史、好きな猫のことならば正しく覚えてほしいなあと思います。
インターネットの情報だけをかいつまんでも間違っていることは沢山あります。
私が今ここに書いていることだって、もしかしたら個人のバイアスがかかっているかもしれません。
でも、猫と言う生き物が存在しなければ書けなかった文学の描写や、出土品は嘘はつきませんよね。
まあ、出土品はたまに嘘つくこともありますが(笑)。
これからの季節、せっかくの秋の夜長です。
調べたり、本を読んだり楽しみながら猫に関する知識を増やして行くのも一興です。
今夜はこれから大雨で大変な地域もあるかもしれませんが、モフモフがいる人もそうでない人も、お気をつけてお過ごしくださいね。
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「あたちはママのおなか出身ですよ。なんでもいいからごはんをくれなさいよぅ。」
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