
NZオークランドのSkatty君、飼い主とともに海に出て、お手伝いをする
…ちょっと見、茶白で少しロン毛っぽいだけ、何がスペシャルなのか?
http://www.lastampa.it/2016/10/15/societa/lazampa/gatto-gatti/skatty-il-gatto-polidattile-che-aiuta-un-uomo-sordo-ad-andare-in-barca-a-vela-nelloceano-K8aEPE3AU4QaqAaeCfxuXI/pagina.html
タイトルを見て、1つ理解できない単語…polidattile
調べてみると、gatto-polidattileが1つの単語で、「多指症の猫」。
生まれつき通常より指が多いことを多肢症 または多指症といい、
人間でも比較的よく見られる症状で、豊臣秀吉も親指が1本多かったという記録が残っているとか。
人間の場合、手術で除去します。
↑の画像、指の数は不明ですが、前足が随分大きくなっています。
記事によれば、他の船が近づくと聴覚に不安のある飼い主に教えてくれると
…多指症はあまり関係ないお手伝い(笑)
以前、このサイトのQ&Aで見かけたもの…指の1本多いにゃんこの前足の画像
…存在することをその時知りました。
ということで、「多指症」について…
基本はWikipedia伊語版、日本語版は存在しません。
通常猫の前足には5本、後ろ足には4本の指がある。
しかしこれより多いこともある…近親相姦等による遺伝的奇形だそうです。
前後同じ数であったり、いろいろなパターンがありますが
最も多いのは前足の指が多いケース
最大7本まで記録があります。
通常は18本、カナダのTiger君、合計27本の指を持つネコとしてギネスに登録。
続くは26本のDaniel君、各足2本ずつ多く、
彼のお陰で所属シェルターは閉鎖を避けることができました。
帆船時代の船員は、多指猫は手が大きいので船の中でネズミをつかまえる「船猫」(ship cat) として、
好んで迎え入れたという逸話もあります。
能力には全く問題がなく、当初は歩行や木登りに多少困難さを見せるものの向上し
6本指ならば、簡単に片手で爪に引っ掛けることが出来るので、
ネズミを捕まえたり、マストに登ることが上手であったと。
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La Stampaより拝借のSkatty君、手が大きい(別名ミトンハンド)ので色々つかみやすいそうです。
多指症のネコは、船員に愛された、という過去からこの記事に繋がったようです(^^)
北米大陸東海岸沿い、英国南西部、ウェールズに多く見られ、
欧州大陸に少ないのは、一説によれば中世期、
黒猫と同じく「魔女」に近い存在として忌み嫌われ、殺戮されたからであると。
…今では慈愛に溢れ、聖人君子のマスクをかぶる、カトリック教会の黒い時代です。
英国海軍では1500年からナポレオン戦争まで、
航海や戦の“幸運を運ぶもの”として考えられていました。
船員のアイドル、でしょうか?
ネコ好きとして有名なアメリカの作家ヘミングウェイは、船長に贈られた多指症のネコを、
フロリダのキーウエストの家で、「幸福を呼ぶ猫」として可愛がりました。
ここから多指症の猫を「ヘミングウェイキャット」と呼ぶようになりました。
1961年の彼の死後は博物館となりそのままネコの住処に…
愛猫スノーボールの子孫が約60匹、半数は多指症です。
ヘミングウェイと彼の愛した6本指の猫。その子孫たちの今
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52171067.html
大きな手を持つにゃんこが大勢さんアップされています。
多指症は大型の猫(ライオン、トラ等)にも見られます。
続編として、「ヘミングウェイ博物館のネコ」を紹介予定です。
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