文豪ヘミングウェイの愛猫もそうであったために、こう呼ばれるようになりました。
1931年から1938年までヘミングウェイが居住したキーウエストの邸宅に住む多くの多指症の猫達、
1935年に船長よりプレゼントされた、愛猫「スノーボール」の特徴を受け継いだ子孫です。
1961年彼の自殺後邸宅は売却され、博物館となったもののそのまま住み続け
彼の生活が偲べる邸宅と共に、観光客の大きな魅力となっています。
The Ernest Hemingway Home and Museum
http://www.hemingwayhome.com/cats/
ヘミングウェイ博物館のHP、猫も“展示物の一つ”として紹介されていて、
庭や室内の至る所では、自由にのんびりと寛ぐ姿が見られます。
このページによれば、ヘミングウェイの愛猫の名は「Snow White」、
そこらじゅうの記事で見かける「Snow Ball」は誤りのようです。
日本語の記事では、州の管理によりしっかりお世話されている、とのこと。
しかし、多指症を伊語で調べていて、別な記事を見つけました。
彼ら(博物館)とアメリカ農水省との間で、法的争いが繰り広げられている…。
http://www.nytimes.com/2012/12/23/us/cats-at-hemingway-museum-draw-a-legal-battle.html?_r=0
リンクは伊語の記事の元となったであろうNew York Times記事
日本語記事は見つからないので、私のざーっとした意訳で紹介
ことの発端は、ある訪問者が、目にする多くのネコの健康状態を心配したことから。
自由に出歩く博物館の猫達は40-50匹、キーウエスト市の規則ではペットの飼育は4匹までしか
許可されていないと。
2003年、農水省が乗り出し、Animal Welfare Act of 1966、1966年動物福祉法に鑑み
「“展示”されている猫達は、動物園やサーカスに必要なライセンスが必要である」、と通達しました。
ただ単に飼育されているわけではなく、観光客を集め、
ポストカード等のビジネスにも利用されています。
“展示”となると、幾つかの生活スタイルの変化が要求されます。
●夜間、ケージに入れること。
●高いフェンスか電気柵により敷地を囲い、外に出さない
●警備員を配置して、猫達が敷地内にいることを確認する
博物館が法規制の管轄をめぐって農務省に対して訴訟を起こし、2012年12月博物館側が敗訴しました。
2008年に農務省と猫の扱いについては和解し、動物展示業許可が博物館に与えられました。
博物館側の変化は…
・避妊&去勢する
・毎週、獣医師が往診
・塀の上にネットを設置
大半の猫に避妊・去勢を施しました。
全てに施すのでは無ければ、「独特の遺伝」も守れます。
HPによれば、獣医の管理を受け、ファイザー製薬の協力の下、寄生虫駆除も施しています。
自由な猫の姿は、博物館のセールスポイントの一つにもなっています。
…庭だけでなく、ヘミングウェイのベッドで寝たりや書斎も出入り自由
「訪問客には、ヘミングウェイが暮らしていたときのままを、彼が見ていたものを見てもらいたい」
という博物館側のコメント、庭を自由に駆け回る猫達も、です。
当初、農水省の応対に憤りを感じた私ですが、色々読んでみると、博物館側にも若干問題がある。
意図は理解できるものの、猫の飼い方もこの50年で変わったはずです。
ヘミングウェイには「パパ」というあだ名がありました。
記者として諸外国に滞在、マイナーであった“闘牛”を世界的に有名にし、
アフリカの野生動物のハンティングや、カジキマグロ等のトローリングを趣味とする
アメリカ人の憧れるマッチョなアウトドア系男性、永遠のヒーロー。
イタリアにも何度も滞在、特にヴェネツイアにはお気に入りのポストが数多くあります。
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小さな島にあるロカンダ、ここの2階に滞在して執筆をし、気が向けば釣りに出かけるという優雅な日々
下にあるレストランで私が食べた、シーズン限定の脱皮時のカニの唐揚げ、かなり柔らかいものです。
無理やりこじつけの画像…パパではなくおじいちゃん(^o^)
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近所の運河にて…手前は網、干して手で修理する漁師さんの姿もよく見られます。
後ろの漁船、NONNO CIROの文字が見えますが、船の名前…「チロおじいちゃん」
昔々、私も購読していた若い女性向けの雑誌ノン・ノ、イタリア語では“おじいちゃん”の意味です。
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この運河沿いでは、何故かあまり見かけない野良猫、
珍しく見かけましたが、耳切りがありません。
日向ぼっこ、人間の通過は全くお構いなし、この子はヘミングウェイキャットではありません。
カトリック教会総本山のあるイタリアならば、真っ先に殺戮されて、子孫は皆無なのでは?
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