30年近くもの話で、昨今とは世間の認識が違うかもしれませんが、経験談として書くだけなので、ツマラナイです。きっと。
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私が最初に見た猫の出産は、友人がそのまた友人から譲り受けた猫で、お家に来た時にはすでに身籠っておりました。
(後に逆算)
当時はまだ学生で、猫来たんだってよ!状態で、友人宅は連日、私を含めた猫さわりたい病患者で賑わっていましたが、誰も動物の出産など見た事も無く、唯一の動物飼育経験者だった私も、飼っていたのは犬ですし、♂だったので、妊娠の兆候など気が付くはずもなく、お腹の太った猫だと思っていました。
ある日、皆でビールを飲んでいたら、物陰からか細い鳴き声が聞こえ猫の数が増えていたと言う•••。
正確には、見たのは産まれたての仔猫で、出産シーンは見ていなかったのですが、もしもあの時、私達の目の前で出産が始まっていたら、パニックだったかもしれません。
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二度目は数年後。
自分の飼い猫でしたから、流石に身体の変化には気がつきましたが、そこに至った経緯は、私が猫の身体能力を甘く見すぎていた事にありました。
責任は私にあるのて、産ませると決めた日からは、猫の飼育書を数冊丸暗記する位に勉強しました。
(この時の猛勉強は、今でも役にたっています。)
が、しかし、やはり出産は教科書通りには行かず、産気付いたのばタイミング悪くGW。
かかりつけは休み。
近隣の動物病院に片っ端から電話し、一箇所だけ獣医師が在宅していた動物病院に相談。
あと1時間経っても産まれなければ手術するしかないので連絡するように言われたような難産でした。
(,逆子や、母猫がヘソの緒を噛み切らないなど、不測の事態も発生するのだから、パニックにならないよう基礎知識と準備は必須です。)
そうやって、やっと産まれた仔猫たちは、最初こそ(主に母猫の努力により)順調でしたが、離乳期には丁寧に一頭づつ風邪をひき、状態の悪かった子にかかりきりになっていたら、一番丈夫そうだった子が死にかけていたような状態でした。
(持ち直しましたが。)
当然そんな状態では他人に飼ってもらうわけには行かず、先に治った子を一頭だけ、お迎えの準備までしてくれたお家にお譲りしましたが、後は全部うちの子です。
(相手の方は、後遺症がでる可能性や譲渡後の医療費も承知した上で迎えてくださり、その後も天寿を全うするまで可愛がってくださいました。)
後日、一気に猫が増えて大変だろうと気を回した知人からの紹介で、譲ってほしいと申し出てくれた方もいらっしゃいましたが、このお話はご自宅までお届けした際に、私がお断りしました。
家庭菜園を荒らす野生動物や他の猫を追い払うには少し小さいかも•••などと仰るのです。
それってただの放し飼いじゃん!。
はい、小さくて体も弱いので(嘘)、このお話はなかった事に。とは、言いましたが、心の中では(犬飼え!大型犬!近所迷惑なくらい吠える奴)。と、呟いてました。呪ってたに近いかも(笑)。
(日頃のお付き合いがない方に譲るには、当事者と会って話さないとダメ!の見本です。)
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その後、猫の出産には他所の家の分まで含め何度か立ち会いましたが、教えなくても産箱に入る子もいれば、家族がTVを見ている横でボロっと産んでしまう子まで、本当に猫それぞれと思います。
産まれた仔猫も、望まれてお他所に迎えてもらえる子もいれは、泣く泣く返される子だっています。
全てが健常に産まれるとも限らず、死産や障害のある子が産まれる可能性だってあります。
外見で判るものだけが障害ではないんです。
生まれたばかりでは、獣医師でも原因はわからないこともあり、育ちそうもない子は母猫が本能的に育児放棄します。
健康に育っているようでも、生後半年以上経たないとわからない疾患などもあります。
(ある程度育つまでは、他人と約束するのは難しいです。)
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時々、多頭飼いに憧れている人や、自分の猫の子供か見たい人も居られますが、気持ちは解るけれど、全ての猫を最後まで養う覚悟がないのなら、お止めになるほうが賢明です。
人間ひとり辺りのキャパシティは限界があるし、保護をしている人やブリーダーが多頭なのは、猫の数が流動的で、必要以上に増やさず、行き先が決まるよう努力をしているからです。
一時に面倒を見られる数には限度がある事を弁えているからです。
猫が増えれば時間的にも、精神的にも、お財布的にも厳しくなって行きます。
もしもこの先、運命の出会いがあっても、定員に空きが無ければお迎えする事は出来ないし、予定外の出戻りや病気になる子だっているかもしれません。
私は毎年のように猫を見送っていた時もあったし、どの子も可愛いいし大切な家族だったけれど、精神的にも財政的にも、辛い時期もありました。
自分のキャパを見極めて無謀な頭数を飼わない事も、ひとつの保護活動だと思います。
可愛いいからと増やしすぎて面倒がみられなくなったら、結局は他人の手を煩わせるし、一番可哀想なのは、飼い主さんや住み慣れたお家から離れて他所に行かねばならない猫なんです。
自分の生活や精神に余裕がないのに、安易に猫を増やしてしまう人、
わからない事があるのは恥ではないけれど、わかろうと努力しないのは恥ずかしい事です。
写真の猫たちは、本文に関係がないお外の猫たちですが、マナーを守りながら見守っている方々によって、まあまあしあわせそうに見えました。
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