ネコジルシのMisakiさんちの美雨ちゃんは、小笠原諸島母島で捕獲された子、
東京に運ばれ、Misaki家という、終の棲家を見つけました。
「捕獲からちょうど一年」
初春に、徳之島のノネコが特別天然記念物・アマミノクロウサギを咥えている、
ショッキングなニュース画像を見ました。
何処も難しい、人間と野生動物との共存…人間が持ち込んだ、外来動物の存在の意味も含めます。
ノネコ=元飼い猫が野生化、自然界に存在していた「ヤマネコ」とは異なります。
その直後、Twitterに入ってきた小笠原諸島での対策…「小笠原ネコプロジェクト」
…「捕獲し、殺処分」ではなく、島から持ち出し、東京本土で里親を探す
2005年、翼を広げると1.5mになるカツオドリをネコがくわえる姿が撮影され、
野生動物を守るために、始まったプロジェクト。
“野生化”している猫の捕獲 + 時間をかけた人馴れトレーニング…簡単な作業ではありません。
12年後の現在、絶滅寸前の鳥が、10倍以上に増えています。
↓いつか紹介したいと思っていた矢先、5月に偶然目に入ったMisakiさんの日記
「なぜか感謝状をいただきました」
母島で捕獲された美雨ちゃんを迎え、環境省小笠原自然保護官事務所より感謝状が届いたという内容
そして遡って読んだ、「かりんちゃん(当時の仮名)」到着時の日記
「遠い島から来た子猫」(2月)
感謝状日記に私が入れたコメに対する、Misakiさんのお返事…(抜粋引用)
最近では同様の試みが御蔵島などでも始まっていると聞きます。奄美なども検討をしているとか。
ただ、感じたのは、あまり広報がされていないということ。
ネット記事や雑誌などの特集になることもありますが、一般への周知はあまりされていない気がします。
事実、私も義父の友人の知人がこのプロジェクトの参加医師であったという縁で知ったわけで、それまでそういう試みがあることすら知らなかったのですから。
また、島から来た猫たちも一般の譲渡会などに出るわけではなく、一部のサイトや、受け入れ病院のブログなどで密かに里親募集をしているにすぎません。
もう少しうまい方法があればいいのになと思ったというのが素直な感想です。(引用終了)
http://kanto.env.go.jp/to_2008/0423a.html(環境省)
「島ネコ マイケルの大引っ越し」、第一号となったマイケル君のストーリー、
絵本になっていて配布され、ネットでも公開されています。

表表紙は、北前船のような帆船に乗って、涙で島を去る茶トラのマイケル君、島には他の動物が残ります。

裏表紙、島に戻ってきたカツオドリを始めとする多くの野鳥と海洋生物、野生動物の楽園…
「絵本」、ということは、将来を考えたプロジェクト。
最後のページは大人向け、ぜひ一読を
…残念ながら、人間が持ち込み野生化した動物の、殺処分もあります。
現在、奄美諸島のノネコの問題が話題となっています。
世界遺産登録に向け、絶滅危機にある希少動物を守るため、ノネコを捕獲、殺処分案も出ています。
「世界自然遺産『登録延期』が突きつけた課題」
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/297766.html
NHK解説委員による、わかりやすい説明
天敵が存在せず、島でのんびり暮らして来た動物たちは、警戒心が薄く、外来動物の餌食になりがち
ネコだけでなくマングースも存在、交通事故も少なくありません。
過去、ノネコを捕獲TNR、また飼い猫にも避妊去勢を無償化してネコ対策をしてきましたが
飼い主の意識も低く、徹底しない現実
「空前のブーム「猫島ルポ」 北海道・天売島」
https://dot.asahi.com/wa/2016090900144.html
「海鳥と猫の楽園」として有名だったそうです。
しかし、ペットの飼い猫が増え、野鳥である海鳥の雛を狙う
1993年から始められた避妊去勢、一旦挫折、2013年再スタート、島外にお引っ越し

https://hokkaido.env.go.jp/%E9%A0%90%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95.pdf
環境省の、天売島ネコ預かりさん募集パンフ…真剣です
結果。。。。。。。激減
最近、農作物やケーブルが、ネズミにかじられる被害が増えています。
小笠原諸島でも、同じようなかつてなかった被害が続出、
漁船の場合、海上で火災を起こすという、高い危険性も伴います。
ネコは昔から、ネズミ退治(欧州ではペスト対策)にも使われてきた生き物です。
「奄美・沖縄 世界自然遺産への課題」
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/300974.html

野生動物の宝庫であった島に、外来生物を持ち込んだのは人間です。
1830年代の小笠原諸島入植時には、ネズミすらいなかったとのこと…
人間に付いて“移住”、その駆除のためにネコを導入…沖縄のマングースはハブ退治
そのネコを排除すれば、ネズミ天国…
目先にあるビジネス目的の世界遺産登録ではなく、自然を後世に残すべき遺産だと考えるのなら
ネコだけでなく、長期に渡った計画が必要です。
*画像は、リンク先のNHK解説委員室サイトより拝借です。
最近のコメント