働き始めて最初の日曜日、大原美術館や倉敷民藝館で感動を味わったあと、駅まで戻ろうと迷い込んだアーケード街の端に、小さな「融民芸店」を見つけました。
古い木製の引戸を開けた時に感じた、心の震えの様なものを覚えています。
「素敵な街に来た」と、とても嬉しく思った事を覚えています。
時が経ち、アーケードの商店街の中にあった書店が3つシャッターを降ろし、その後も次々と閉店、開店また閉店と、馴染みのできた又は馴染みつつあったお店が入れ替わって来ました。
それでも「融民芸店」は変わらず、大袈裟かもしれないけれど、私の心の拠り所の1つで有り続けたのに、
年内閉店のお手紙が届き、悲しくて悲しくて足を運ぶのも辛かったのです。
でも昨日、久しぶりに行ってきました。
融最後の展示会だと書かれたはがきが届いて、居ても立っても居られませんでした。

店主のお名前は融子さん。
ご自身の年齢の事もあり身を引くことにしたけれど、
何と! 後を引き継いで下さる方が見つかったとのこと!
お店の名前も変わらず「融民芸店」のまま存続する事になったそうです。
嬉しくて嬉しくて、もう。。。
私と同じ、融無くしては居られない方がきっとたくさんおられるはず。
店主が変われば雰囲気も多少は変化があるかもしれないけれど、それもまた楽しみかもしれません。
昨日は、白磁のしのぎのマグカップを購入しました。
20年前に融で購入した、同じ作家の同じデザインのマグカップを、今も息子が愛用しています。
新しいカップは少し小ぶりになって軽くなり、持ち手の形も少し違っているけれど、透き通る白さは変わりません。


最近のコメント