『岡本桟橋(おかもとさんばし)』という
レトロな木製の桟橋があります。
知る人ぞ知る国内でも珍しい木の桟橋です。
(現在は一部が木製)
原岡海岸は、我が田舎家からもそう遠くない
距離に位置しており、ここへは度々訪れています。
太平洋に向かって160m突き出している桟橋の
先端まで歩いていって下を泳ぐ魚を探したり
水平線を行き交う船を眺めたりして、ゆったりと
した普段と違う時間の流れを楽しんでいます。
ごくたまに富士山が見えることもあります。
『岡本桟橋』の歴史は古く、大正10年(1921)
7月に漁業用の桟橋として整備されました。
この頃の地図に停船場の記号が記されています。
1961年までは魚が水揚げされ、漁港としての
賑わいを見せていましたが、同年に漁港が他の
場所に移転してからは、近隣住民が行き来したり
釣り人が訪れる以外は、特に人が集まるような
ことはありませんでした。
もう100年以上、変わらずそこに存在し、静かな
内房の海を見守っている桟橋です。
下の写真は7、8年前から撮り続けている
『岡本桟橋』です。
⬇️

夫は幼少期、父親の船で東京から房総へ釣りを
するためによく来ていたらしく『岡本桟橋』にも
船を停泊したことがあったそうで、その風情ある
外観は昔とぜんぜん変わっていないと言います。
私も子供の頃、房総には海水浴に来ていました。
保養施設を利用して、家族や友人と泊まりに来て
いました。
ビーチまで水着で1分で行ける海岸沿いの一軒家
で、エアコンなどありませんでしたが、自炊が
出来て貸別荘みたいな感覚で、バブル期までは
よく来ていた記憶があります。
ずっとずっと後になって、
社会人になってから、仕事を通じて夫と私は
知り合いました。
その頃、子供時代の思い出話をしていた時、
房総の海水浴場や海の家についての互いの記憶に
相通ずるものがあり、日焼けで真っ黒になるまで
泳いだり、磯遊びや釣りをしたり、同じ時を
房総半島で過ごしていたことを知り、縁やゆかりの
深さを感じて驚きました。
房総半島へは、年に何回も訪れていますが、
まだまだ味わい尽くせないほど魅力のある場所が
多く、興味は尽きることがありません。
幼き日の「ノスタルジックな思い出」のせいで
この先も通い詰めることになりそうです。
共通の価値観、好きなものが同じ、共有できる
趣味がある…とか、人間関係を深めるのに大切な
ことはいろいろあると思いますが、
理屈では説明出来ないこと、例えば
「不思議な縁(えにし)に導かれた」
「運命によって決められていた」
としか言いようがないような思いがけない
不思議な巡り合わせによって、生涯の友や人生の
パートナーを得ることもあるのではないか?と、
思うことがあります。
友人との縁も、夫との縁も、猫との縁も、
「不思議な縁(えにし)に導かれた」
と言ってもいいのかもしれません。
ネコジの皆さんにもきっと
そんなご縁や巡り合わせがあることと思います。

ものごとを成り立たせている要素や条件が複雑に
重なり合った結果として、人と人は出会ったり
すれ違ったりします。
その要素や条件が変わっただけで、出会う機会が
無かったり違った出会い方になっていたかもしれ
ません。
「袖振り合うも多生の縁」とは、
たまたま道で袖が触れ合ったようなちょっとした
出会いも、前世からの深い因縁であるということ。
人と人との縁は偶然ではなく、前世で結ばれた
因縁によってもたらされるのだから、どんな出会い
も大切にしなければいけないという仏教的な教え
から来ることわざです。
そしてそれは、
どのような出会いにも意味があり、何かがひとつ
欠けたらその出会いは存在しない、すなわち
「有ること」が難しいということに繋がります。
「ありがとう」は漢字で書くと「有難う」と書き、
文字通り「有ることが難しい」という意味であり、
めったにないことや稀なこと、大切な人や出来事に
巡り合った時に、感謝やお礼の言葉として使うよう
になりました。
ちなみに、
「有難う」の反対語は、
「当たり前」なのだそうです。
人と人との出会いや、自分に起こる出来事は、
不思議な縁(えにし)に導かれ、
当たり前ではなく、めったにない稀なこととして
生じている…という意識を持つことが大事なこと
なのですね。
「当たり前」の反対で「有り難し」。
自分とその人を結び付けた
“出会い、出来事、縁(えにし)”を
『当たり前』と考えず、
『有り難い』と感謝する自分でいたいと思います。
ここ数年『岡本桟橋』は、SNSへの投稿やTVCM
に登場したり、ドラマのロケ地に選ばれたりして、
写真愛好家や観光客が続々と集まってくるように
なりました。
昨年の11月、○HK「ドキュメント7○時間」
という番組の撮影クルーが、この桟橋で3日間、
カメラを回して取材をしていました。
『南房総 静かな桟橋で』というタイトルで
つい先日(1月27日)放送されていました。
実は私たちも撮影を近くで見ていたのですよ。
いつ放送されるか?
わからなかったので、日記を書いてはみたものの
しばらくアップしそびれていました。
番組の宣伝をするつもりはなかったので、放送後
の今頃アップしています。
次の写真は、
撮影が終わった日(2022年11月25日)午前中に
撮影クルーが去り、その日の午後に撮った桟橋です。
⬇️

原岡海岸は遠浅の広い砂浜で、正面に富士山を望む
絶好の撮影スポットでもあり、私はまだ見たことは
ないのですが、年に数日はダイヤモンド富士が見え
るそうなんです。
また夕方になると、この桟橋には、木の電柱に
昔ながらの傘をかぶった裸電球が明かりを灯し、
そのぼんやり灯るオレンジの明かりが、より一層
幻想的な雰囲気を醸し出します。
昭和の映画のワンシーンに出てきそうです。
残念ながら、ダイヤモンド富士を背景にした桟橋と、
夜の明かりの桟橋の写真はまだ撮れてはいませんが、
最新の写真がこちらです。
年が明け、1月27日の放送後にどっと訪れる人が
増えた桟橋の様子です。
人が並んで桟橋の上を歩いています。
まだまだ付近には大勢の観光客がいました。
(1月29日撮影)
⬇️

先日の放送で、地元のボランティアで浜辺に
防砂網を張っていた男性が、SNSやCM、ロケ地で
桟橋の人気が高まっていることに関して、
「なんで今なの?ずっと昔からあるのにさ。」
と言っていましたが、やはり1度でも映えスポット
として紹介されてしまうと、人は行きたくなるもの
なんですよね。映え写真も撮りたいですしね。
ただ、私は今日まで『岡本桟橋』を紹介したことは
1度もありませんでした。
時間が止まったような静けさの中の古びた桟橋が
好きなので…。
でも、やはり地元の方々と同じように、人気が
高まるのは嬉しいです。

そうそう、
julien😼✨にめぐり逢ったペットショップも
千葉県館山市内だっよね…。
もちろん覚えているよ。
julien😼✨も南房総の田舎家に来るとなぜか
いつも元気になるんだよね。
南房総を故郷みたいに思ってるの?
房総半島と、夫と、julien😼✨と。
お世話になった方々や友人も。
ご縁のあった全ての出会いに感謝してます。
房総半島には、まだまだ
紹介したい素敵な場所がいっぱいあります。
読んでくださって、興味を持たれた方が
少しでもおられたらとても嬉しいです。
長文お付き合いくださり有難うございました。
ではまた🫶🏻💕
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