皆様の日記を拝見していますと、結石症に悩まされているにゃんこさんたちの何と多いこと。驚きます。
我が家にも1匹おります。私の不注意と無知さのせいで、大手術によって九死に一生を得ました。
そんなわけで、皆様にそんなことがないよう、私の失敗経験談を披露させていただきます。
被害者はこの子です。なかなかイケメンでしょう。
ネコ写をご覧いただいた方にはご記憶の方もおいでかと思います。木製のプランターカバーにすっぽり収まって、足を出していた子です。
今から4年半前、かかりつけの獣医の先生の手に負えず、ローマのクリニックに入院しました。
結石が尿道に詰まってしまい、チッコが出ないのです。気づくのが遅く、土曜日の夕方6時半ごろ獣医さんのところに駆け込みました。診察終了時刻を大幅に延長して、9時まで頑張ってくださったのですが、どうしても詰まった石が外れません。私の親しい先生はバカンスで不在、大きい手術はお二人でなさるということで、手術は不可能。月曜日まで待ったら膀胱破裂で手遅れになるとのこと、その先生の紹介でローマのクリニックに11時ごろ運び込みました。
尿毒症を起こしており、緊急手術が必要とのこと。結局10日間以上入院しました。
男の子の器官をすべて切除し、人工尿道を挿入という大手術でした。今の日本の医療技術ならば、レーザーで石を粉砕できるのではと思います。入院というストレスのせいか激しい下痢を起こしており、患部の消毒が退院後も1日に2回必要でしたが、抜糸と共にそれはかかりつけの先生がクリニックに連絡を取り、処理して下さいました。
クリニックへの支払いは1000ユーロを超えました。平の警察官のお給料が、税抜きで1500ユーロのお国です。あまりの高額の支払いに驚いた先生は、退院後の処理はすべて無料でしてくださいました。
後で考えると、兆候がありました。
やたらに座りこんでチッコをするのです。無知な私は結石が原因の膀胱炎だとは気づかず、こじらせてしまったのです。高さ1m足らずの塀に飛び乗るのに、やっとの思いで上がったこともありました。石が邪魔をしておなかが痛かったんだと思います。何度か詰まらせ、そのたびに外れたのですが、とうとう最後にはぴったりはまって、動かなくなってしまったのでしょう。
支払いは痛かったけれど、そのままにしておいたら死んでしまうのがわかっていたので、放っておけませんでした。うちの子ではありません。お外の子です。隣のおばさんの子です。充分にご飯をもらえないので、家に居座ってしまいました。
入院中も、お見舞いに出かけました。カラーを付け、不安げに泣いている際、聞きなれた私の声を聞きつけ、顔が軟らんだのを覚えています。そしてふみふみを始めました。退院後、帰宅の車の中で、”ORECCHIO~”(オレッキオ、耳の意味です)と彼の名前を呼ぶたびに、うれしいのか返事をしました。
相変わらずダッコはだめですが、これ以後、臆病だった子が目に見えるようになつきました。退院後抜糸まで、カラーをつけてケージに閉じ込めましたが、おとなしくしていました。
手術の際、そこらじゅうの毛をそってはげはげになったORECCHIOを見かけたおばさんは、”かわいそうに!”と一言。生死をさまよったことも知らないし、気にもしません。私も言っても意味がないと、何も言いませんでした。
そして1年後、血尿を出したのです。何度も何度もトイレに座り、超毛のしっぽに血の混ざったチッコのはねがつくのです。一か月、抗生物質を飲ませました。飲み薬では治らず、注射の仕方も覚えました。でも治らないのです。
獣医の先生も頭を抱え、最後の手段として石を溶かす薬を処方くださいました。これが効かなければどうすればよいかわからないとのこと。飲ませ始めて1ヵ月半後、出始めたチッコの色が突然変わり、それ以後血尿はでなくなりました。
理論的には尿道よりも太い人口尿道、石は通過するはずだったのですが、結石症の治療食を食べていたにも関わらず、結石が大きくなっていたようです。
今では結石治療食と普通食を半々で与え、1年に1回1カ月ほど、石を溶かす薬を定量の半分をおいしい缶詰に混ぜて飲ませています。だからお薬だ~いすき!取りあえずこの3年間無事に過ごしています。太ってもいます。
この子のお利口だったことは、具合の悪い際、隠れず私に見せたことです。猫は普通、体調が悪いとかくれます。お外の子にもかかわらず、私に訴えてくれたので救うことができました。
今でもトイレの穴掘りを始めると、必ずチェックします。体調の良い時には勝手に寝ていますが、ちょっと調子が悪いと、私にくっついてきてチッコをします。助けてほしいんでしょうね。
爆弾を抱えながら生きています。軽い膀胱炎は、いつもあるそうです。でも7歳半まで生き延びました。
1回の航空運賃分以上の出費は痛かったけれど、見殺しにしていたら、一生後悔していたことでしょう。
こ~んな寝顔や
私のコレクションのランの葉っぱの後ろに隠れて見せるいたずらっ子顔
をみると、お金で解決がついてよかったといつも思います。
結石症とはいうものの、猫の場合は砂だそうです。
ネコジの皆様は完全室内飼いの方がほとんどですし、いろいろ情報も出回っています。
健康管理も行き届いておいでのことで、こんなことはないことと思いますが、少しでも参考になればと思い、私の失敗談、書き綴ってみました。
ちなみに私も石持ちです。祖母と叔父は2度づつ手術をしているし、私も高校時代、学校へ行かずに済むように仮病で腹痛を訴えていたのですが、母に病院まで引きずられ検査したところ、砂が見つかりました。お酒を一杯飲み始めてから、出てしまったようですが、猫の場合そういうわけにはいきませんね。
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