私が「根気と.忍耐かな?。」と、答えると、大抵の人はからかわれていると思い(こいつに聞かなきゃよかった・・・。)みたいな顔をします。
彼らが聞きたかった答えは、トイレの種類や餌のブランドなのは百も承知なのですが、そんなものは飼育書の1冊でも買うか、某書店の月刊誌でも購読すればいいことで、ググれ、カス!とまでは言いませんが、自分で調べられること。
猫を実際に飼っている人間として、これから飼おうとしている人に一番伝えなくてはいけないことは、長く平和に共存するには根気よく躾けて長い目で見守ること。ではないかと思うのです。
見た目がいくらホワホワと可愛らしくても、猫は爪も牙もある獣です。
引っ掻きもすれば噛むことだってあるでしょう。
テーブルの上の獲物に興味を持てば、何度だってよじ登ります。
特に子猫のうちは、バンジージャンプの紐でもついてるんじゃないか?くらいに、降ろしてもしつこくしつこく飛び乗ってきたり。
いけないことをした時に鉄拳制裁なんかしても、それは猫にとって、ただ痛いことをして苛める人にしかならないし、ちゃぶ台をひっくり返して星一徹並みに怒鳴ろうとも、落っこちた茶碗をペルペルと舐めまわされ、余計にいらっとするだけなので是非やめてください。
猫(に限らず動物)を躾けるときは、ダメ!と、簡潔な言葉をかけながら、やられる度に辞めさせる。これしかないのだと思います。
なので、ちょっとのことで切れてしまうような短気な人や、繰り返し同じことが出来ない根気の無い人は猫を飼うのに向いていないのではないかと、最近しみじみ感じます。
飼いたがるのは赤の他人ですから、誰も止めることは出来ないけれど、せめて身近な人に聞かれたら、永遠の三歳児と向き合っていける根気と忍耐力ありますか?と、伝えていきたいと思います。
飼育放棄や虐待を減らすために、大きな声で動物愛護を唱えたり、猫を拾いまくるのも結構なのですが、猫飼いたい病の熱に浮かされている人に、可愛くて散歩の手間のかからないだけの楽な動物ではないよ。と、囁いてあげるのも立派な愛護活動ではないでしょうか。
自他ともに認める根気のない私も、代々の猫たちから教えられ鍛えられました。
すでに飼っちゃってお手上げになりそうな方がいたら、それはあなたに根気を学ばせるためにやってきた宣教師だと思いましょう。
人の話に耳は傾けられなくても、猫から学ぶものも多いはずです。
どうか長い目で、忍耐をもって末永くお幸せに。

「きちんと飼えですよ。」
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