里親詐欺者のよくある手口例

猫を実験や虐待のため、または転売の対象として引き取ろうとする、猫の幸せを軽視する里親詐欺者が存在します。
ネコジルシの里親募集を利用する際に、生じる可能性がある状況についてお伝えします。

里親詐欺者のよくある手口例をまとめました

里親詐欺は、応募者だけでなく募集者からも起こり得ます。以下に示す内容を参考にし、被害に遭わないよう注意を払ってください。

即座にメールアドレスや電話番号等の連絡先を聞いて(教えて)くる場合

【可能性】
  • ⇒ ネコジルシ内で証拠を残したくない
  • ⇒ 個人情報を収集したい
【回避方法】
  • ネコジルシ内のメッセージ機能を引き渡し直前まで利用し、信頼できる相手にだけ個人情報を提供する。
  • 猫を急いで欲しがる人には縁が無いと思って断る勇気を持つ。

猫の引き渡し時に個人情報を教えない場合

【可能性】
  • ⇒ 譲渡後すぐネコジルシを退会して連絡を遮断するつもり
  • ⇒ 里親詐欺目的の応募者で、自分の住所を提供したくない(教えられない)
【回避方法】
  • ネコジルシ以外での連絡方法を確認する(電話がつながるなど)
  • 身分証の相互提出を提案する。
  • 譲渡を決定する前に信頼できるか判断する。
  • 信頼できない人には個人情報を教えないだけでなく、決して譲渡しない。
  • ※SNSやメールアドレスだけではなく、住所や電話番号を必ず尋ねるようにしましょう。

「自分から猫を引き取りに行きたい」と交渉された場合

【例】
  • ご足労かけるのは悪いので、こちらから引き取りに行きます。
  • 子猫にストレスをかけないように、こちらから伺います。
  • 家が散らかっていて中を見られたくないため、私が引き取りに行きます。
  • 遠い場所に住んでいるので、新幹線で引き取りに行きます。
  • 空輸で送ってほしい。
【可能性】
  • ⇒ 里親詐欺目的の応募で、自分の住所を提供したくない(教えられない)
  • ⇒ 個人情報を収集したい(約束をするだけで現れない)
【回避方法】
  • 「こちらから届けます」と提案し、相手の反応を見る。
  • 少しでも何かおかしいと感じたら、縁が無かったと考え、断る勇気を持つ。

※ 双方の話し合いで譲渡方法を決めるのは良いですが、ネコジルシ以外の連絡先(住所や電話番号など)は必ず尋ねるようにしてください。

全国規模で募集を行っている、または短期間に多数の応募をしている場合

【可能性】
  • ⇒ 虐待や不法な転売のために、無差別に猫を集めている
  • ⇒ 収集癖があり、多頭飼いが崩壊している
【回避方法】
  • 無難な理由でお断りするのが最善の対策です!
    一方的に虐待者と決めつけて返答するのはおやめください

「応募する」からの応募ではなく、直接メッセージで里親希望を伝える

【可能性】
  • ⇒ 応募履歴を残さないようにしている
  • ⇒ ネコジルシ内に証拠を残さないようにしている
【回避方法】
  • 「応募する」ボタンからの応募を促す

完璧すぎる条件で応募する

【例1】
私の名前は猫印花子です。
48歳で、主人と手の離れた大学生の息子と高校生の娘がいます。
また、我が家には8歳になる気立ての良いメス猫が1匹います。
気が優しいので喧嘩などは一切ないためご安心ください(^-^)
脱走対策済み、マイクロチップ内蔵済み、ウィルス陰性、毎年ワクチン接種、避妊去勢済みです。
専業主婦で、24時間子猫の世話ができます。
また、捨てられた猫を育てた経験もありますので、乳飲み子の世話にも慣れています。
私の家は所有の一戸建てで、猫専用の部屋もあります。もちろん、キャットタワーも完備しています。
遠方に住んでいますので、新幹線で引き取りに行きます。
【可能性】
  • ⇒ 譲渡者が喜ぶであろう文章を書いてきている

    ※ 上記の例は実際の詐欺者の文章を模倣しています

【回避方法】
  • その乳飲み子猫は現在どこにいるのか等、矛盾点を質問してみる。
  • 先住猫がいる場合、その猫と本人が一緒に写っている写真などを提示するよう提案する。
  • 駅などでの受け渡しではなく、相手の家を確認して譲渡を行う。

「ボランティアなので一時預かりします」と提案された場合

【可能性】
  • ⇒ 虐待や不法な転売のために、無差別に猫を集めている
  • ⇒ 収集癖があり、多頭飼いが崩壊している
  • ⇒ 後日、強引に支援金を要求するつもり
【回避方法】
  • 無難な理由でお断りするのが最善の対策です!

    ※ 普段から忙しいボランティア団体や個人がこのような要求をすることは考えにくいです。

さいごに

以上の事例にあたるとしても、すべてが詐欺目的だと断言することはできません。
しかし、インターネットが生活に溶け込んだ現代において、猫好きのサイトに登録している全ての人が良心的な人物であるとは限りません。この点をご理解いただくことが大切です。

ネコジルシとしては、「起こるかもしれない」「起こったかもしれない」問題に対する対応はとても困難です。

そういったトラブル予防に一番有効なのは「自己防衛」です。
皆さまご自身の判断により、安全なやり取りを行っていただくことを強くお願いいたします。

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著者紹介

上杉 華子(猫コンシェルジュ)

猫に関する専門家として猫の知識と経験が豊富で、猫の飼い主たちから高い評価を受けており、
猫の行動学や猫種の特徴、猫の健康や栄養管理など、猫に関する様々なトピックについて情報発信。
猫に関する情報が科学的根拠に基づき、そして分かりやすい言葉で説明していることを心がけ、猫の世話やしつけ方法、猫の病気や予防策についてのアドバイスを提供しています。
幼いころから猫を飼って育った自身の経験をもとに情報発信を行い、保護猫の里親探しや猫の福祉向上を目指して活動中。