第65回 あの人の監督作品「一億の猫」
こんにちはー。えりかです。
今年も暖かい冬になる予感がしますね。
新しく買ったマフラーの出番が無くて、
ちょっと寂しい最近です。
今回のえりかのコラムは
「一億の猫」のご紹介。
ごゆっくりご覧ください。
この映画を見終わった後、
正直「しまった」と思いました。
ほんとに。
これをネタに選んでしまったことに
「しまった」と思った、というか
なんかもういろいろと「しまった」と
思ったというか。
それはなぜか?面白くないのか?と
読んでる方は誰だって問いたいと
思いますが、ちょっと待っててくださいね。
まずはちょっとあらすじの説明を
させてくださいね。
著名な作家が死んじゃって、
その3人の娘達と作家の弟子が、
遺産を巡って喧々諤々する
ブラックコメディ。
その中に、どう猫が絡んでくるか。
この題名を思い出してください。
「一億の猫」ですよ「一億の猫」
その作家の愛猫、黒猫のクロ。
このクロをこれからも飼ってくれる人に、
遺産の半分、一億を託すと、
この作家は遺言に書き残していました。
遺言の正当性は認められ、こうなると
実質猫のクロが一億を相続する形に。
そこに3姉妹と弟子の思惑が絡まりあい、
そしてクロの思惑も絡まっているような
絡まっていないような、そんな感じの
遺産相続劇がこの「一億の猫」という映画。
監督は、キャイ〜ンの天野くん。
天野ひろゆきです。
監督が天野くんということで、
ガガーっときて、ダーっといって
バババっとなってジャジャーン、みたいな
映画を想像してたのですが、
実際はねとーっときて、ぬるりといって
どろどろになってしっとり、みたいな
感じの映画でした。
ここがまず、「しまった」と
思った第一の要因。
これをどう紹介したらいいのか。
このドロドロ昼ドラの様な展開、
今までのコラムとは雰囲気が違うぜ。
と、言っても面白くなかった
わけでもないぜ。
ねとーっとしてぬるりとして
どろどろでしっとりしてるものでも、
面白いものは面白い。
例えば、なめたけとか納豆、
めかぶとかとろろとかナメコとか、
ぬるぬるしてるものでも
おいしいものはいっぱいですよね。
ねとぬるはひとつの個性であって、
必ずしもマイナス方面に走るものでは
ないわけです。
んで、「しまった」の第二の要因。
肝心の黒猫クロがあまり出てこない。
でも何故に、こうしてコラムに
取り上げるに至ったか。
納豆が大好きなんです。
とろろもナメコも大好きなわけです。
んで、納豆にはカラシが
つきものなわけです。
で、何を言いたいかというと、
納豆のカラシ=黒猫のクロ、と
いうわけです。
あんまり出てこないながらも、
重要な役どころ。
そしてあんまり出てこないながらも
たまに出てきたときには、しっかり
猫好きのツボを刺激してくれる。
主役なんだか脇役なんだか、いまいち
わかんない位置にいるクロですが、
本来猫ってそういう動物なわけで、
「猫を堪能しまくりたい」という方に
この映画はおすすめしません。
「たまに出てくる猫を見て、
『あっ猫だ得した!』という
気分に浸りたい」
という方には大いにおすすめします。
監督である天野くんの意外な一面と、
遺産相続のどろりとした感じ、
そこに絡んでくる黒猫の絵になる姿。
猫を前面に押し出している作品では
ありませんが、それを期待して見てみても
鑑賞後に「意外と悪くなかった」と
誰かに言える作品です。
むしろこういう雰囲気嫌いじゃない。
いろんな意味で、一度見たら
印象に残る映画ですよ。
でもやっぱり猫分が足りない。
ああ猫分が足りないっ!と
おっしゃる方には、DVD特典メニューに
クロのコーナーがありますので、
そちらをおすすめいたします。
本編で猫分が足りなくても大丈夫。
安心してご覧ください。
一億の猫
ペットを巡る様々な人間模様をテーマに6人の多彩な監督陣が競作した『PETBOX ペットボックス』シリーズの1本。本作の監督はお笑いコンビ“キャイ〜ン”の天野ひろゆき。著名な作家であった父が亡くなった。しかし遺言状には、彼の莫大な遺産の大半を愛猫に捧げると記されていた。遺産をあてにしていた三姉妹と弟子は、遺産と猫を巡って壮絶なバトルを繰り広げることになり…。