第30回 だからこそ面白い「ねこ あきない」
4月1日です。こんにちは。
エイプリルフールの今日ですが、
皆さんは何かサプライズ企画でも考えて
おられるでしょうか。
さて、今回も始まるえりかのコラム。
今日のご紹介は「ねこ あきない」
猫エッセイ漫画です。では、ごゆっくりどうぞ。
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猫エッセイ漫画の描き方は十人十色。
このジャンルの漫画を描くからには、
もちろん猫が好きで、可愛がっているのには
間違いないですが、それを描くテンションと
いうものがあります。
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かわいくてしょうがない、という、
高テンションピンク色オーラで
描く作家さんもいれば、日常をのんびりと
描く、いわばゆったり空色オーラの
作家さんもいます。
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猫のことを人に伝えるテンション。
ここネコジルシで、飼い猫のことを
語っている方達のテンションや伝え方が
それぞれ違う様に、作家さんによって
猫のことを語る語り口は様々です。
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さて、この「ねこ あきない」
作者の夢路 行さんの、猫を語る語り口は
「テンション」という言葉を使うとすれば
かなーり低いテンション、低空飛行。
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「テンション」という言葉を使ってしまうと
こういった、あんまり良くない響きになって
しまうかと思いますが、言葉を変えると
それは「冷静」であったり「沈着」で
あったりします。
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でもねぇ、こういう本はいいんですよ。
本が読み手に合わせてくれるんです。
妙にテンションが高い本だと、
読み手の状態によっては
手が出しづらい時ってありますよねぇ。
けれど、「ねこ あきない」
この本は読み手の状態を選びません。
いつでもどんなときでもすっと手が
伸びていきます。
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「低テンションな本」と書くと
あまり面白く無さそうなイメージが
湧くかと思いますが、全くそんなことは無く、
冷静な観察眼があるからこその笑い所があり、
こういう感覚が好きな人は、少なくないと
思います。むしろ多いと思います。うん。
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漫画家夢路 行さんと、2匹の猫の日常。
派手さは無いけれど、きらりと夢路さんの
瞳が光る時、その目は確実に良ネタを
掴んでいるわけです。
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ゆっくりマイペースで読める面白い猫漫画です。
たまに、びっくりするほど淡々としていますが、
まあ、そういう人程情が深いって言いますし。
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ねこ あきない
思わずほほ笑む猫エッセイ!! 夢路行先生によるラブリーな飼い猫エッセイ。 わんぱく猫ローズくんとスーシィくんは仕事で忙しい夢路先生を困らせてばかり…。 そんな思わず笑っちゃう楽しいエッセイ漫画がぎっしりつまっています
次回は4月15日更新予定!次回も是非見てくださいね!