第31回 猫が書いて猫が読む本「猫語の教科書」
こんにちは。えりかです。
桜色なこの季節、皆さん気持ちよくお過ごしですか。
今日もえりかのコラムが始まりますよー。
今回はポール・ギャリコさん著「猫語の教科書」の
ご紹介です。では、ごゆっくりどうぞ。
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猫好きを自覚している皆さん。
この本は読むべきです。
私としてはですねぇ、
こういう「〜するべき」とかいう、
決めつけの文体はまったく好きではないのですが
猫好きの皆さん。これは読むべきです。
と、まったく好きではないのに
「〜べき」を2回も使ってしまう程
個人的におすすめです。
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著者のポール・ギャリコさんの友人の家に、
ある朝届いていた封書。その中には、
暗号らしい原稿が入っていました。
友人からその原稿を見せられたポール・ギャリコさんは
その暗号をある方法で解読し、一冊の本として出版します。
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そうしてできたこの一冊。
内容はですね。猫の教科書です。
猫が書いた教科書です。
猫による、猫のための、猫の教科書。
猫がその猫生を謳歌するための秘訣が
いっぱいの、素敵な教科書です。
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もうですねぇ、この本、目次からして
これはほっとけない!感が満載ですよ。
ちょっと紹介しますね。
第一章 人間の家をのっとる方法
どうですか。
たったこの一文だけで、興味がむくむくと
湧いてはきませんか。
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今現在、猫を飼っている皆さん。
今飼っている猫を初めて目にした、記念すべき
あの時のことをよーっく思い出してみてください。
その時から、もうのっとり作戦は発動されていたのです。
この第一章を読むと、そのことがよく分かりますよ。
今現在、猫を飼っていない皆さん。
いつかあなたが猫を飼う時。
あなたはこういう方法で陥落されます。
今から予習をしておくのも悪くないんじゃないでしょうか。
他にも「人間ってどういう生き物?」「獣医にかかるとき」
「別宅を持ってしまったら」など、猫好きなら否応無しに
気になってしまう章がたくさん。
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ものすごく猫が好きな人なんですよ。ポールさんって。
じゃないと、こんな本書けません。
きっとものすごく猫が好きで、
一日の大半を、猫を見つめて過ごしているような
人なんじゃないかなーと個人的には思っております。
じゃないと、ほんとにこんな本書けません。
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ウィットに富んだ語り口で、ゆるやかに、
噛み含める様に静かに進む文章を目で追っていると、
頭の中の、猫好きな部分が喜んでいくのが分かりますよ。
猫と読書が嫌いじゃなければ、ぜひお読み下さい。
猫好き脳が更に活性化される、素晴らしい本です。
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猫語の教科書
ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手による、全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」ひょっとしてうちの猫も?描き下ろしマンガ(大島弓子)も収録。
次回は4月29日更新予定!次回も是非見てくださいね!