えりかの猫本レビュー

第19回 実話です「空から降ってきた猫のソラ」


日に日に秋も深まり、木の葉も色づきはじめ
外を歩く人達もめっきり秋色になってきましたね。
みなさんお元気ですか。えりかのコラム19回目ですよ。
今回は「空から降ってきた猫のソラ」のご紹介。
北海道の有珠山が噴火した時の、一匹の子猫のお話です。
では、ゆっくりご覧下さい。










000年、3月31日、午後1時7分。

北海道、洞爺湖の南に位置する有珠山が噴火しました。
迅速な避難態勢があったため、死傷者はゼロ。
住民が避難する場所は、避難所。
しかし、飼われている動物達はどこに避難するのでしょうか。







この本にも書いてありますが、大多数の人は置き去りという
手段をとったそうです。そりゃ、誰だって置き去りにしたくて
したわけじゃありません。動物に対して行政の助けが無かった当時、
避難勧告を出された住民がペットに対してできることは、
餌と水をたっぷり置いて、無事を祈ることしかできなかったのです。








そんなペットの中の一匹、猫のシロ。
彼女が生んだ子猫が、ソラです。






人間がいなくなった町は、動物が支配します。
そんな中で、家猫だったシロは外敵から
子を守る術を持ちません。彼女が生んだ4匹の子猫は、
たった一匹になってしまいました。
その子猫も、カラスに奪われてしまいます。






ソラは、文字通り、空から降ってきた子猫です。
道路工事をしていた山崎さんと渡辺さんのもとに
カラスが落としていった子猫。
そして、困り果てた二人が子猫を連れて行ったのが
有珠山動物救護センターでした。







ボランティアの獣医師が中心となってできたセンターです。
飼い主が避難して置き去りになった犬や猫等の保護をし、
飼い主が迎えに来るまで、見つかるまでの、
言わば「ペットの避難所」です。

その救護センターで、子猫はソラと名付けられ、
センターで働く人々や動物達の希望となりました。
何度も死に直面し、その度に乗り越え、
ソラのそんな姿を見る度、センターの人々は
勇気づけられたと言います。







この本は、ソラだけのエピソードに留まらず、
センターにいた犬や猫のエピソードも書いてあります。
子供向けの本なのですが、「そこで何があったか」を
知るのには、充分なことが書いてあります。
別に、特筆すべき悲惨な出来事があったわけでもなく
ただただ、「動物救護センターであったこと」を
子供向けに、しかし事実から目を逸らさずに書いています。

そこには、災害時に動物達がどう扱われるかが
はっきりと書いてあるんです。
そして、災害にあった動物達を守ろうとする
人々の情熱も読みとれます。







題と答を、一緒に提示されている感じがします。

問題とは、災害時にペットはこうなるよ。あなたはどうする?と。
そして、必死に助けようとしてくれる人達もいるよ。
けれども、あなた自身はペットを置いて行かざるをえないんだよ、と。






答は、あなたがこの本を読んで自分で見つけることができるでしょう。

ソラは、センターの人々に勇気と希望を与えました。
そして、私達はソラとこのお話から、考えるべきことに
気付く幸せをもらえるのです。







避けられない災害に見舞われて避難する時。
あなたの愛する猫はどうなるのでしょうか?

↑の文章を読んでもいまいちリアルに考えられない方。
至急この本を読むことをおすすめします。








空から降ってきた猫のソラ

噴火する少しまえから、地鳴りや地震がひんぱんにありました。犬や猫、あるいはニワトリたちは、なにか不吉なことがおきそうな気がして、不安でした。やがて有珠山のすそ野から、白い蒸気が噴き出し、不安は現実のものとなりました。大音響とともに、地面が割れ、そこからたくさんの噴煙がのぼりました。小学校中学年以上向き。





次回は10月29日更新予定!次回も是非見てくださいね!

Auther:

★えりか


ご覧の通り、絵も文もゆる〜い感じで進むこのコラムですが、皆様のお目汚しにならないよう、しこしこと精進しながらがんばっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。

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