第13回 日本の猫を堪能できます「ふくふくふにゃ〜ん」
えりかのコラム13回目は
こなみかなたさん著「ふくふくふにゃ〜ん」です。
こなみさんと言えばチー。
今やチーの人気大爆発ですが、ふくふくだって
負けちゃいません。今回はそんな、ふくふくの魅力を
再確認しようと思います。では、えりかのコラム始まりますよ!
猫が似合う年代。
赤ちゃん、幼児、少年、青年中年老年。
赤ちゃん幼児は、お互い付き合い方が分からなそうだし
少年は、イメージ的にどちらかと言うと犬って感じ。
青年は犬猫に構ってるヒマは無さそうだし、
中年も働き盛りで稼ぎ時、猫とのんびりしてるよりも
家庭サービスに忙しい。
と、なると、老年期。
ご老人が一番猫には合うのではないでしょうか。
強引ですが、そういう事にしちゃいます。
赤ちゃん幼児、少年青年中年だって、猫に似合わないって
わけじゃないんです。ベストオブ年代って話になると、
ご老人に勝る年代ってのはちょっと見あたらないんじゃ
ないかなーって、そういうことなんです。
強引ですが、そういう事でどうかひとつお願いしたいんです。
ご老人と猫っていうのは、実にぴったり合うんです。
料理の世界では、筍とわかめ、鰤と大根、鴨と葱など、
相性と旬の時期がぴったりで、お互いがお互いを引き立て合う
珠玉の組み合わせを「であいもの」と呼んでいたりしますが、
ご老人と猫というのはまさにそのであいもの。
ご老人が秋刀魚だとすると猫は大根おろし。
ご老人がカレーだとすると猫は福神漬け。
ご老人がワインだとすると猫はチーズ。
ご老人と猫の旬はいつなんだ、という声も聞こえますが
生きてるものは常に今が旬です。今より若い時は無い!
なので、であいもの、と呼んじゃってもいいわけです。
強引ですが、そういうことでどうかひとつお願いします。
で、ご老人と猫という珠玉の組み合わせを
充分に堪能できるのがこの「ふくふくふにゃ〜ん」
「ふくふく」という名の猫と、飼い主のおばあちゃんの
なんてことない生活。おばあちゃんとふくふくの、
息が合ってるんだか合ってないんだか微妙な生活。
それを、こなみさんがとても上手く描き上げています。
この漫画を読んでいて気が付くのは、
「セリフが少な目」、「猫の仕草が正確」
この二点。
セリフが少ないどころか、
一編全てセリフが無かったりする時もたまにあります。
そういう漫画ってたまに見かけるけれど、
うまく頭に入ってこなかったりしませんか?
コマとコマの繋がりが分かんなくなっちゃったり、
結局どういう話だったのコレ、とイマイチ概要が掴めなかったり。
そういうのってきっと多いと思うんです。
だけどね、ふくふくふにゃ〜んは素晴らしいですよ。
セリフが少ないくせに全てが分かるんです。
全てが頭の中に入ってくる。
セリフが無くても、描かれている猫の仕草で
多くの感情、ストーリーが伝わるんです。
セリフが無い漫画で、ここまで内容が手に取るように分かるのは
この本と、某バスケット漫画の山王戦、ラストの話ぐらいなもの。
特にね、冬のお話。
雪が降っている時のお話を読んでごらんなさい。
きちんと温度を感じます。雪だけじゃなく、
太陽やこたつ、ちゃんと温度を感じます。
感情やストーリーだけじゃなく、温度。
温度と、間(ま)。
そしておばあちゃんの柔らかな雰囲気と
ふくふくの柔らかさ、猫らしさ。愛らしさ。
いろんなものを受け取れますよ。
のびーってしたい時に、ぜひおすすめなんです。
次回は8月6日更新予定!次回も是非見てくださいね!