第15回 あの漫画家さんのねこばなし「シッポがともだち」
いやー暑いですねー。
この暑さの中、猫ちゃんと共にどうお過ごしですか。
えりかのコラム15回目ですよ。
今回は桜沢エリカさん著「シッポがともだち」のご紹介。
エリカさんちの3匹の猫、
もう知ってらっしゃる方も多いと思います。
あけみ、ベン、カッチーの魅力を再確認しましょうか。
それではえりかのコラムはじまりまーす。
桜沢エリカさん。
有名な漫画家の方です。
代表作には「愛し合うことしかできない」、「メイキン・ハッピィ」
等々、書き出せばキリがないのでここで割愛しますが、
猫好きの私から言わせていただければ、この方の代表作は
なんと言ってもこの「シッポがともだち」
エリカさんの愛猫、あけみ、ベン、カッチーとの日常を
独特の視点から、カラッと明るく描きます。
エリカさんの猫との接し方は独特です。
人対人、しかも「男」、「女」という視点でも見ています。
猫を猫と見ず、人として見ている方は多くても
男と女、性別で見ているって方は少ないのではないでしょうか。
だからと言って、別に生々しい描き方をしてるってわけじゃありません。
性別を個性とし、その性別に合った性格の描き方をしてるんです。
例えばあけみちゃん♀。
プライドが高くて、好き嫌いが激しい。
みんなで仕事をしていると、自分もその輪の中に入り
自分も仕事をしている気になっている(らしい)。
ここまでで大抵の方は終わりますね。
しかしエリカさんは、ここからもう一段階掘り下げ、
「女」の性格をあけみちゃんに付与します。
喋り方、目つき、歩き方、表情の作り方etc。
喋り方、と言っても、猫が喋る漫画ではありません。
「こういう時はこう言ってるんだろうな」ということを
セリフっぽくしているだけなんですが、
正にそう言ってるんだろうな、と
信じさせて疑わせないキャラ作り。
そうなんです。
キャラが立っているんです。
だから、あけみちゃん、と言えばすぐイメージが
ぽんっと湧いてきます。どれだけ読んでない期間が長くても
キャラの記憶、味が薄れないんですね。
それはやっぱり、「性差」レベルでのキャラ作りがあってこそ。
同様に、ベン、カッチーと言ってもすぐにぽんっと浮かびますよ。
内容も、猫をひとつの「個」として見ているのが分かります。
「飼い猫が人間だったら」というテーマの時は、
「ベンが人間だったら、女の子とはこういう付き合い方をするだろう。
カッチーだったらこう。そして私はそのどちらとも付き合いたくない」
というようなことをサラッと書いてます。
親でも子でも、仲間でもなく、ひとつの「個」。
だからこそ恋愛の相手としてどうか、という観念が出てくるのでしょうね。
不自然な程「○○ちゃんは家族! 私はママ!」と親子の繋がりを
アピールされるよりも、ずっとシンプルで好感が持てます。
とにかく読みやすい仕上がりになっていて、
すぐに3匹それぞれの個性が理解できるので
ついついページが進んじゃいます。
内容も猫漫画の王道。何気ない日常です。
でも、やっぱり面白いんです。
日常を描いたものこそ面白い。
だって、私達の一番身近にあるのは「日常」なんですから。
3匹の日常を、垣間見てみませんか?
シッポがともだち
エリカさんちのペット、猫のあけみ、カッチー、ベン。亀のカーくん。超ラブリーな動物たちとの何もなさそうで毎日が大騒動!! の日々を描いたペットコミックの傑作。
次回は9月3日更新予定!次回も是非見てくださいね!