第79回 いっぴきとふたり「女いっぴき猫ふたり」
こんにちはー。
7月ですね。紫陽花が似合う季節です。
これから夏本番。体調を整えて
暑さを迎えましょう。
今回のえりかのコラムは
「女いっぴき猫ふたり」のご紹介。
ごゆっくりご覧ください。
題名を見てください。
まず見てみてください。
「女いっぴき猫ふたり」
ねぇ。
「女いっぴき猫ふたり」ですよ。
なんとも物哀しいじゃありませんか。
巷に、レツゴー3匹という漫才トリオが
いらっしゃいますが、あの方達は
同じ「匹」でもなんだか楽しい感じがする。
なんだか楽しげにキャッキャと
はしゃぎまわって飛んだり跳ねたり
してる気がする。
3匹で頭を寄せ合って仲睦まじく
面白い事を考えてる気がする。
だけど、「女いっぴき」と
こられた日にゃ、どうにもこうにも
なんとも物哀しい。
けど、さほど深刻でもないような気がする。
物哀しいけれど、なんとなく突き抜けた感が
なくもない。
だって自ら「いっぴき」ですから。
開き直らないとできない表記ですよね。
まあでも、著者はあの
伊藤理佐さんですし。
開き直ったとか物哀しいとか、
もうそういうもんは突き抜けて
それら全てをネタにできる
この包容力。この猫漫画。
それがたまらんですよね。
で、その伊藤理佐さんが飼っているのが
ニャコとクロという猫ふたり。
仲が良いのか悪いのか、
付かず離れずなアメショと黒猫。
女の一人暮らしに猫が二匹。
この刹那的な組み合わせが
この本の醍醐味なのでは
ないでしょうか。
ま、猫と関係無いことも
書いてあるんですけどね。
けど、そのはじっこにいる
猫達がまたオモシロ可愛い。
ま、大半が猫の話ですので
心配はご無用です。
女っつーものはどうしても
母性本能があるもので、
自分より小さきか弱いものを見ると
「お母さんよ」等と言ってしまうクセが
あるものですが、この方はばっちり
「自分にとって猫とはペット」と
言い切ってるあたりが
媚を売ってなくて潔い。
で、ペットだからこその
扱いがまた潔い。
私は好きですね。
こういう扱い。
いや、別に必要以上に冷たくしてるとか
そういうことじゃないんですよ。
ただただ「飼い主」と「ペット」として
描いているってだけで、娘だ息子だ
ママだパパだと言ってない、
このシンプルな関係。
私は好きですね。
こういう関係。
まあね、今更私がぐたぐた言ったって
伊藤理佐さん、有名な方です。
面白さは保障済みです。
知らない方も是非どうぞ。
私は好きです。この感じ。
女いっぴき猫ふたり
マンガ家(33)とねこ(9)2匹。気の抜けたちいさーい日々の生活を描いた、双葉社WEBコミックで好評連載中の本作がいよいよコミックス化。忙しいけど、ぬるぬるな36歳独身マンガ家がぬるぬると続けてきた、ページ数もバラバラ、4コマあり、エッセイ風のなぐりがきあり。3年余りの生活を無編集でお送りします。脱力感たっぷりにお読み下さい。