第72回 猫のチカラ再確認「図書館猫 デューイ」
こんにちは。
3月も終わりを告げ、来月は
出会いの月、4月ですね。
なんだか心躍る季節。
春風も本番です。
今回のえりかのコラムは
「図書館ねこ デューイ」の
ご紹介。ごゆっくりご覧ください。
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このコラムも、ここネコジルシで
連載させていただき早3年。
3年もの間、暖かい瞳で見守って
くださっている読者の方々と
ネコジルシスタッフの皆様方には、
ほんと頭が上がりませぬ。
いや、ほんとにね。
すごく感謝しております。
これだけ好き勝手なことを
3年も描き続けていられるのは、
読んで下さっている皆様方と
スタッフの皆様方のおかげ。
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そんな皆々様方のおかげで
このコラムも今回で72回目を迎えました。
ほんとーにありがたいことです。
さて、そんな皆々様の中に
猫嫌いの方はいないと思われますが、
本嫌いの方もいないと思われます。
ネコジルシに来てるってことは
猫嫌いさんではないということで、
しかもこのコーナー、本の紹介コラムを
読んでるってことは本嫌いさんでも
ないわけです。
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と、いうわけで、今これを読んでいる
あなたには「猫好きで本好き」という
特性が増えることになってしまいました。
人の特性を勝手に増やすなと
お怒りのことと思いますが、
ここのサイトに来ていて
このコラムを開いちゃった時点で、
上記の特性を背負う運命が
決まってしまっているわけです。
これは間違いないわけです。
もうあきらめるしかないわけです。
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で、そんな「猫好きで本好き」なあなたが
泣いて喜ぶであろう本が、今回ご紹介する
「図書館猫 デューイ」です。
アメリカ・アイオワ州の
小さな町スペンサーで、
人々に幸福を振りまいた猫。
それが、デューイ。
あるとても寒い日、この町の
図書館に捨てられていた子猫が、
その町にとってかけがえのない
存在になったことを描いたこの本は
今、このコラムを読んでいる
あなたのハートをがっちりキャッチする
こと請け合い。
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舞台は図書館。
主役は猫。
アンテナが反応しませんか。
ビリビリ来ませんか。
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近い将来、「デューイ」と
名づけられることになるその子猫は、
この本の著者、ヴィッキーに拾われ
図書館で飼われることになります。
その頃、スペンサーは冬の時代。
人々には仕事も無く余裕も無く、
言うなれば今の時代の日本にそっくり。
そんな中、デューイはマイペースに
図書館生活を楽しみ、その可愛らしい姿が
人々の心を癒していきます。
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図書館に訪れるお年寄り達。
彼らの話題の中心は、いつしか
デューイのことになりました。
求人情報を見に来る若い男性。
はじめは人懐こいデューイを払いのけ、
職探しに没頭していた彼でしたが、
どうにもうまくいかない様子。
彼の顔には、いつしか深い皺が
刻まれていきました。
そんな日々の中、彼もいつしか
デューイを膝に乗せるようになり、
笑顔を取り戻したようです。
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図書館には、たくさんの子ども達も訪れます。
障がいを持った子ども達や、
猫アレルギーを持った子ども達。
驚くべきことに、デューイは
そんな子ども達ともうまくやり、
しかも良い影響をも与えたのです。
著者の半生とスペンサーの歴史、
そしてそれらに優しく影響を与えた
赤茶色の子猫、デューイ。
その後、デューイの話題は
スペンサーを飛び出し、
アメリカ全土に、そして
世界に広がりました。
あるとても寒い日に、
図書館の返却ボックスの中に
捨てられていた猫が、世界中で
最も有名な猫の中の一匹に
なってしまったわけです。
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猫のチカラって素晴らしい。
分かっているけど再確認。
じんわり心に暖かい物語でした。
最後に、デューイのフルネームを。
デューイ・リードモア・ブックス
この猫、猫好き本好きのハートを
がっちりキャッチ。
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